昔の競馬 ~単枠指定制度~ | 日常あるいは平穏な日々のぼやき

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日々の出来事をボヤくつもりでしたが、ふたを開けるとほとんど競馬ネタ。

こんなブログですが、どうぞお付き合いください。

たまにはボヤきます。

今は廃止された制度や、最近ではあまりみかけなくなった制度について、いろいろと紹介をしていきたいと思います。

一度に書くつもりはないので、長い時間をかけてダラダラと書いていきますが、多分、今の競馬とは異なった状況もおわかりいただけるかな・・・と思います。


今は『馬番』で馬券を買うのがほとんどとなっているケースですが、以前は枠番連勝しかなく、普通に『連勝複式』とか『連複』、『連勝』とか呼ばれていた時代があります。


これも1991年10月からの馬番連勝複式の発売で『枠番連勝複式』と呼ばれるようになりました。



さて、その時代、出走取消があった場合の対策として採られていたのが『単枠指定制度』です。

つまり、単枠に指定された馬が疾病等で出走を取り消した場合、この馬に絡む全ての馬券が買い戻されることになります。


この単枠指定制度とは、


単勝支持率30%以上を集めそうな馬


に対し、1枠1頭となるよう単枠に指定されます。

単勝支持率が30%以上ですから1つのレースで4頭が指定されることはありません。

(合計120%という計算になっちゃいますからね。)


この制度は、1973年の日本ダービーでハイセイコーが単勝支持率66.7%を集めたことに起因して作られた制度であり、適用第1号は1974年5月3日の皐月賞、キタノカチドキでした。


枠順の決め方ですが、通常は馬名のアイウエオ順、JC等ではアルファベット順にクジで決めます。

しかし、単枠に指定される馬がいる場合は、まず名前の順ではなく、この馬の枠を決めます。


例えば、18頭立てのレースで単枠指定馬が1枠を引くと、あとの17頭を2~8枠に入れるように決めていきます。


つまり、


1枠 1番

2枠 2番、3番

3枠 4番、5番

4枠 5番、6番

5枠 7番、8番、9番

6枠 10番、11番、12番

7枠 13番、14番、15番

8枠 16番、17番、18番


となり、自動的に他の枠に入る頭数も決まってきます。


一方で、当時はフルゲートが最大18頭ではなく、24頭や32頭等で行われたレースもありましたので、枠順抽選の際、単枠指定馬が8枠を引いてしまうと、大外枠が確定しますので、とんでもない現象が起こるということもあり得たんですね。


前述の通り、1991年10月の東京開催から馬番連勝複式が発売されましたので、その直前の中山開催がまでが、この制度の対象でした。

最後に単枠指定制度の適用を受けたのは、セントライト記念のレオダーバンで、結果は3着でした。


ちなみに、この制度最後の年となった1991年の日本ダービーの枠順は以下の通りでした。


1枠  1番  イイデシビア    57 田面木博公

1枠  2番  シャコーグレイド  57 蛯名正義

2枠  3番  レオサイレンス   57 増沢末夫

2枠  4番  セトホーライ    57 郷原洋行

3枠  5番  シンホリスキー  57  武 豊

3枠  6番  アフターミー    57 蓑田早人

3枠  7番  ワンモアライブ   57 角田晃一

4枠  8番  ビッグファイト    57 小島太

4枠  9番  ロングタックル   57 南井克巳

4枠 10番  カミノスオード   57 田中勝春

5枠 11番  レオダーバン   57 岡部幸雄

5枠 12番  コガネパワー   57 田原成貴

5枠 13番  イイデセゾン    57 柴田政人

6枠 14番  ソーエームテキ  57 的場均

6枠 15番  イイデサターン  57 河内洋

6枠 16番  イブキノウンカイ 57 村本善之

7枠 17番  タイコンチェルト  57 楠孝志

7枠 18番  ホクセイシプレー 57 須貝尚介

7枠 19番  ツルマルモチオー 57 石橋守

8枠 20番  トウカイテイオー  57 安田隆行(単枠指定)



このように、20頭立てでしたが、単枠指定を受けたトウカイテイオーが8枠を引いたため、すでに3枠から3頭ずつの枠割りになったんですね。


この制度は中央競馬のみの制度で、地方競馬では『同枠友引制度』がありました。

つまり、同じ枠に2頭以上入った際、その枠の1頭が取り消すと、他の同枠の馬も取消になってしまうんです。


私が初めて地方競馬(大井競馬)に行って、初めて払い戻しに並んだのは、この友引による買い戻しでした・・・。