◤◢◤◢⚠︎注意⚠︎◤◢◤◢

こちらはBL要素を含む
お話となっております

苦手な方
受け入れられない方は
華麗にスルーでお願いします🙇‍♀️








いい顔なんてする訳ない。 

姉さんが知ったら 
翔さんかじいちゃんを絞め殺しに行くかも。 

だけどさ。 

言わない訳にはいかないじゃん。 

口では大丈夫って言ってるけど 
まーくんを取り戻すまでは 
なりふり構わず猪突猛進状態だろうし 

潤くんだって
そんな姉さん見てるのは辛いはず。  

「カズ、さっきからスマホばっか気にしてるけど……先生とケンカでもしたの?」 

「違います。それより潤くんは?」 

「父に連れてかれたわよ。急に人と会うとかで……。」 

不満が溢れた言葉尻に 
潤くんの忙しさと姉さんの胸の内を思って 
少し2人が気の毒になる。 

姉さんと翔さんが 
あのまま何事も無く結ばれていたなら 
この役目は翔さんが担う筈で 

潤くんはまた別の誰かに 
出会う運命だったかもって考えると 

やっぱり人生なんて 
イレギュラーばっかじゃんって 
少しやさぐれたくもなる。 

そのイレギュラーを 
更に悪化させるかもしれない案件を 
今から目の前の人に 伝えなきゃいけないなんて 
そんなんオレじゃなくても良くない? 

じいちゃんが責任持って 
姉さんに話せばいいじゃん。 

言い出しっぺはじいちゃんなんだし 
本来なら契約違反で 
親父さんから訴えられるって言ったのに 

自分が全責任を取るから 
遠慮なくやりなさいなんて……。 

「やっぱさぁ……雅紀くんが作ってくれたカクテルが一番よねぇ。」 

「……まぁね。」 

他所の店でしみじみ言う事じゃないけど 
贔屓目を差し引いても 
まーくんの作るカクテルが 
一番美味いって思ってる辺り 

オレもあの人が帰るのを 
健気に待っちゃったりしてんだよな。 
あの人があの場所に帰ってきて 
変わらない笑顔で出迎えてくれたらって 
正直何回も何十回も思ったよ。 

「ねえ、お爺さまはいつになったら雅紀くんを返してくれるのかな?麟だっていつまでもあのままって訳にはいかないでしょ。」 

姉さんはカクテルグラスを持ち上げ 
その向こうにあったはずの姿を 
懐かしむように呟いた。 

「麟くんに関しては、彼自身がどうしたいのかってだけです。それ以上に問題なのは、この先起こる事の方だから。」 

「……何よ、その言い方。」 

まーくんを都合のいい生贄っていうなら 
もっとおいしい思いをさせて 
元に戻りたくなくなるくらい 
肥え太らせたらいい。 

常識から逸脱してる今を嫌悪してるのか 
それともくだらない意地を張り続けてるのか 

親父さんもいい加減諦めて 
あの人の好きなようにさせてやりゃいいのに 
何であんな下手くそな接し方しか
出来ないんだろ? 


「何って……今度こそ覚悟を決めろって話です。」 

「覚悟?」 

「姉さんは覚悟を決めたから、翔さんを許したんでしょ?」 

「は?……今更何なのよ。アンタ、ケンカ売ってんの?」 

コンと音を立てて置かれたグラスと 
露わになった姉さんの感情。 

波打ったカシスソーダは 
一瞬の動揺を映し出し 

予想通りの反応にオレは 
姉さんを更に怒らせると知りながら 
淡々と計画の全貌を話した。 

「え、待って…っ、それ、雅紀くんは知ってるの?」 

やっぱり翔さんじゃなくて 
まーくんを心配しちゃうんだ。 

「知らないでしょうね、多分。」 

「冗談じゃないわ、また傷付けるつもり?!そんなの許さないわよ?」 

「これで傷付くなら、あの人も覚悟が出来てない証拠でしょ?自分で決めた道なんだから、出来てて当然です。」 

オレを怒鳴りつけなかった 
姉さんの分別には感謝だけど 
オレだってホントは 
こんなやり方したくないんだってば。 

でもさ。 

悪いことしてる訳じゃないから。 

大切な人の側にいたいと願う事に 
何の罪があんのさ。 

綺麗事なのは百も承知だし 
未だに消えない偏見があるのも知ってる。 

与える影響がどれ程のものかは 
オレの想像以上だろうし 

好奇の目に晒されるのは 
本人たちだけじゃなくて 
関わった人たち全てに及ぶ。 

だから姉さんにも 
『覚悟』があるかどうかを問いたかった。 

「これを明らかにしたら、貴女もきっと傷付く。過去の事をほじくり返して、好き勝手言われるだろうし、影響は家族にまで及ぶかも……。それでも、あの人を取り戻したいって言えます?」 

その顔をジッと見据えるオレを見返し
姉さんはため息混じりに 
『バカね……』って髪を掻き上げ 
カシスソーダの残りを飲み干した。 

「私は決めたの。あの子を絶対守るって。だって……あんな顔して泣かれたら、誰だってそう思うでしょ?」

「姉さんだけですって、そんな過保護なのは。」 

「違うわよ、アンタだって同じじゃない。雅紀くんの事となると熱くなるくせに。」 

「いえ…幼なじみで腐れ縁ってだけで、ホント大迷惑ですよ、こっちは。」

吐き捨てるみたいなオレの言葉に
姉さんは唇を微かに歪め 
グラスをコースターの上にトンと置くと 

カウンターに置きっぱなしだったスマホを掴み 
怒りを滲ませた指先で画面をタップし始めた。


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄


こんばんは🌟💫

超お久しぶりのSNOWです。

風薫る季節🌿‬𓏲𓇢𓂅🌿
皆様如何お過ごしでしょうか?


5月も既に10日を過ぎ
(気付けばGWも終わっとる……)
身体も心も少し落ち着いてきたので
ぼちぼちとお話を書き進めておりますニコニコ


今日はいつ以来かしらってくらい
時が経ち過ぎた『bartender 』を
お届けいたしました。


今回は『カズ』の視点から
お話を進めてみましたが

『一体何の話だ⁉️』って
盛大なツッコミが入るのを承知で
敢えて更新しております。


本来なら雅紀くんサイドの話を
30話目に持ってくる予定だったんですが

何故か並行して
カズの話が出てきちゃったので
どっちを出すか考えた結果
こちらを先に出す事にしました。

前回の終わりから
何となく察していただけたらと思います。
(毎回ホントにすみません💦)


次のお話は
早めに出せるよう頑張るね(๑•̀ㅂ•́)و✧


読みに来てくれてありがとう🙇🏻‍♀️⸒⸒


ではでは(*>∀<)ノ))またねーバイバイ
SNOWでした雪の結晶