いま読んでる野溝七生子『眉輪』、これがほんとうに面白い。会社でお昼休みに読んでいるのですが、金曜日に「えええ?」と驚くべき方向へストーリーが展開したのでもう気になって気になって。


昨年、思いがけずご病気で亡くなった指導教授の遺品の中から、私はダンボール1箱分の本をいただいて(それでも多数ブッ○オフに流れてしまったそう。残念)、ゼミ同期のSちゃんセレクトのその箱の中には野溝七生子の短篇全集『暖炉』が入っており、これもとても楽しみ。


松尾由美、氷室冴子など、どれもテンションだだ上がりのラインナップ、Sちゃんのセンスに感謝しつつ、先生がますます慕わしく急逝が惜しまれてならないのでした。来月で、もう1年が経ちます。


そういえば先日Sちゃんとメールしていて「つばな『第七女子会彷徨』っていう漫画がとても面白い」という話題になったとき、彼女が「菅ゼミだったら見逃せないタイトルだよね」とはっきり書いてきたのが心に残りました。感傷的な意味じゃなく、ゼミ生だった私たちの思考回路は菅先生の指導によって形成されているから、何を見ても何を感じても何を話しても、回路のところどころに先生がいらして、だから具体的に「私たちの中で先生が生きている」と言えると思う。


先生ご本人が生きて、精力的に論文や授業やその他ご活躍を続けられたらそれが一番かっこよかったに違いないけれど、いまは、ただこの菅ゼミ遺伝子を誇りに思いつつ、先生のご冥福を祈ろうという気持ちが(ようやく)湧いてきました。


ともかく新年度ですからね。喪ったもの、失くしたもの、たくさんありますが明日からも美しくたくましく歩んでいけますように。