鏡に映る自分の顔を

指でそっとなぞってみる



触れている感覚すらない


これはなに?



名前があるなら呼んでみてよ

何も聞こえてこないんだ


耳は果たして開いているのか


これは誰?


 そうして、わたしはゆっくりと
 時間稼ぎのようにゆっくりと
 わたしという名のうすくてもろい仮面を被る


君の目に映るわたし
あなたの目に映るわたし
あなたのお気に召すままに変じてあげよう


どうせ中は空なんだから

真実など誰も臨んではいないのだから
キミが
アナタが
あのひとが欲しいのは

あくまで
自分に都合のいい存在の
「わたし」


  わたしに、そもそも名前などない
  鏡に映る自分の顔が
  誰なのか?

  それでも演じるしかない
  

  わたしという役目