$哀れなるものたち 映画
$哀れなるものたち
アワレナルモノタチ
POOR THINGS
2024年1月26日(金)公開[R-18] / 上映時間:141分 / 製作:2023年(英) / 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
$あらすじ・ストーリー 天才外科医のバクスターの手によって胎児の脳を移植されたベラは、不幸な死からよみがえる。世界を自分の目で見たいという欲望に駆られたベラは、放蕩者の弁護士・ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。偏見から放たれたベラは、世界を吸収し、成長していく。
解説 『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督と、エマ・ストーンが主演・プロデューサーとして再タッグを組んだファンタジー。アラスター・グレイの同名ゴシック小説を基に、胎児の脳を移植され死からよみがえった女性が、まだ見ぬ世界を知っていく冒険の旅を描く。共演はマーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフら。
@https://natalie.mu/eiga/film/193371
$『哀れなるものたち』(あわれなるものたち、原題:Poor Things)は、2023年公開のイギリス・アメリカ・アイルランド合作のシュール的(英語版)なSFロマンティック・コメディ[4]。監督はヨルゴス・ランティモス。出演はエマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォーなど。脚本はトニー・マクナマラ。原作は1992年に発表されたアラスター・グレイの同名小説(英語版)である。
あらすじ
医学生のマックス・マッキャンドルスは、外科医で研究者のゴッドウィン・バクスター(ゴッド)の助手に選ばれる。ゴッドはベラ・バクスターという知能が未発達の成人女性の研究をしており、マックスはベラが覚えた言葉や食べた物を記録する仕事を引き受ける。ベラはゴッドの家の中に閉じ込められ、日々多くの語彙や感情を覚え、次第には性の歓びをも覚えていく。マックスは近くで観察する時間を過ごす中で、ベラに好意を抱くようになる。ベラの正体をゴッドに問い詰めたマックスは、次のような事実を知らされる。ある時、ヴィクトリアという妊婦が橋から飛び降り自殺をし、その遺体を発見したゴッドが、生存していた胎児の脳を妊婦に移殖して生き返らせたのだという。
ゴッドの励ましを受け、マックスはベラに結婚を申し込み、ベラもそれを受け入れた。しかし、知性が急速に発達していったベラは自然と外の世界に興味を持ち始め、結婚の契約のために家に上がり込んだ弁護士ダンカン・ウェダバーンに誘惑され、駆け落ちをしてしまう。ベラとダンカンはリスボンに降り立ち、セックスに夢中になる毎日を送る。ベラは好奇心に駆られ1人で外に出かけては酒を飲んだり、タトゥーをいれたり、他の男と性的な行為をしたりする。自由奔放なふるまいに困り果てながらもベラに恋をしたダンカンは、ベラを監禁しクルーズ船に乗り込んだ。
ベラは乗客のマーサとハリーと友達になり、哲学の話に夢中になる。本を読み始め徐々に知性をつけていくベラを横目に、ダンカンは酒とギャンブルに溺れていく。ある日、ハリーとともにアレクサンドリアに立ち寄った際、ベラは貧しい人々の過酷な現実を目の当たりにし、大きく取り乱す。彼らを救いたいと考えたベラは、ダンカンがギャンブルで勝った賞金を「貧しい人々に渡しておく」と嘘の約束をした乗組員に渡してしまう。残りの旅費が無くなったダンカンとベラはマルセイユで降ろされ、パリに向かった。お金と宿を求め、ベラはパリで売春婦の仕事を始める。激怒したダンカンは精神が崩壊し、ベラはダンカンを見放す。ベラは売春宿で別の売春婦トワネットと友達になり、トワネットから社会主義について教わる。
一方、ベラが駆け落ちした後に別の実験体フェリシティを研究していたゴッドは、末期の病気により死に向かっていた。ベラはマックスに呼ばれゴッドの元へ帰ったが、ゴッドから出自についての真実を聞かされ、ゴッドとマックスに失望する。その後、良好な関係を取り戻したベラとマックスは改めて結婚を約束し、結婚式を執り行う。しかし、結婚式の最中、妻のヴィクトリアを探していたアルフィー・ブレシントン将軍がダンカンの計らいにより乱入し、ベラを連れ去ろうとする。
ヴィクトリアの過去について気になったベラはアルフィーの邸宅に付いていくが、アルフィーの暴力的で残虐な本性を目の当たりにし、ヴィクトリアが自殺したのはアルフィーから逃れるためであったことに気づく。パリで売春をしていたと話したベラに対し、アルフィーはベラを邸宅に監禁し、銃を突き付けながら性器切除を受けるよう脅した。クロロホルム入りのカクテルを飲まされそうになったベラは、咄嗟にカクテルをアルフィーの顔にかけ、アルフィーの足を銃で撃つ。その後、ベラは負傷したアルフィーを連れてゴッドの家に戻った。ゴッドはベラとマックスに寄り添われ、静かに息を引き取った。ベラは医者としてゴッドの研究を引き継ぐことを決意し、アルフィーにヤギの脳を移殖した。
マックス、トワネット、四つん這いで庭の草を食べるアルフィー、そのアルフィーに水を与えるよう指示されるフェリシティらとともに、ベラは本を読みながら優雅な時間を過ごす。
@https://www.imdb.com/title/tt14230458/
$哀れなるものたち (ハヤカワepi文庫 ク 7-1 epi111) 文庫
$解説
19世紀末、グラスゴー。異端の科学者バクスターは驚異の手術に成功する。身投げした女性に胎児の脳を移植して蘇生させたのだ。その女性――成熟した肉体と無垢な精神をもつベラは、バクスターの友人マッキャンドルスら男たちを惹きつける。彼らの思いをよそに、ベラは旧弊な街を飛び出し、旅するなかで急速な成長をとげる。そのとき、彼女が知った真実とは? 知的な仕掛けと奇想によって甦るゴシック小説の傑作。映画化原作
$視聴者レビュー引用・編集
グレイが序文で自ら言ってるように面白い話が衒いなく語られればそれが何よりです。ただ商品の説明にある通りの内容(天才医師による創造物:クリーチャーはニンフォマニア?)と構成(グレイは序文と脚注を作成、きな臭い自家出版本とその作者の妻<クリーチャー?>の書簡をほぼ原文通りに編集)であれば策略と陥穽の臭いがプンプンします。でも読み終わった今その猜疑に満ちた読書態度は訳者も忠告されてるように誤っていると反省。
天才外科医は語ります。「(病理解剖重視の風潮は)多くの医者を、生命とは本質的に死んでいる何かにおける揺れや動きである、という思考に導く。患者の身体を治療する彼らには、心つまり<命>に対する敬意など微塵もない」と。レンブラントの作品をいくら解体/分解して微細に観察したところで巨匠の技芸を学んだことにはならないということ。『哀れなるものたち』はグレイの技芸であり息づく生命/心の動きこそ主点。虚実の些細にこだわる人は、偉大な名著『グレイの解剖学』からの挿絵で癒されて下さいということなのでしょうか。(その他にも図譜は豊富で楽しめますが、虚実にこだわらなければです。)グレイにとっては心のダイナミックな動きを通してひとつの社会の全体像を明らかにしていればそれは真実の書。心の動きでは「慎重に隠された嫉妬」や「いくばくかの放縦な官能性の要素」などが描かれ「19世紀に蔓延したあらゆる病的なものの放つすえた臭い」や「ヴィクトリア朝趣味の強烈な臭み」「戦争の本質である自己卑下という流行病」を体感できるのです。ということでやはりグレイは「真実しか言わないし、書きもしない。嘘をつくとき以外は」という訳者のあとがきもまた真実であると確信。
そして奔放なヒロインが最後に求めるのは「暖かく揺らがないもの」ですと。泣くなりわめくなりしたい方にはお勧め。
商品の説明
著者について
アラスター・グレイは、1934年、グラスゴー生まれ。スコットランドを代表する小説家。画家、劇作家、脚本家としても活躍した。美術学校在学中に執筆をはじめ、三十年近い年月をかけて完成させた初長篇『ラナーク 四巻からなる伝記』(1981)がアントニイ・バージェス、デイヴィッド・ロッジ、ブライアン・オールディスらから絶賛され、母国のみならず英文学においても主要作家となった。リアリズム、ファンタジー、SFが入り交じる作風が特徴。自筆のイラストを装幀、挿絵に使用することで知られる。『ラナーク』のほかに短篇集『ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど』の邦訳がある。1992年発表の本書は長篇第六作にあたり、ウィットブレッド賞、ガーディアン賞をダブル受賞した。名実ともに著者の代表作である。2019年没。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2023/9/26)
- 発売日 : 2023/9/26
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 560ページ
- ISBN-10 : 4151201114
- ISBN-13 : 978-4151201110
- 寸法 : 10.6 x 2.1 x 15.7 cm
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著者について
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アラスタ−・グレイ
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