私が公立幼稚園に採用されて驚いたことは、各園で行われる人材育成に体系だった方法がなく、管理職や先輩職員の勘頼みによるところが大きいということだ。


そのために初年度は散々な目にあった。


配属園にはパワハラで有名なAがいた。

Aは常に「自分の保育のやり方が一番」と信じて疑わない人間だった。

Aは一度退職した人間であるが、再任用制度で「管理職の補佐」、「園務の補佐」という名目でいた。


あくまでも職員の指導、監督は管理職が指揮をとるはずなのだが、このAはしょっちゅう保育室に来ては私の行動に口をだし、「アンタは何もできてない」「センスがない」「バカ!!」などなどという言葉で罵ってきた。


Aは私だけでなく、採用2年目のB先生にも暴言を吐き続けた。度々教育委員会の偉い人がきて、注意はするのだが、それでも収まらない。


私にとってはこれだけのことして注意するだけですむところも信じられなかったのだが…


私達にも教育委員会からヒアリングの時間があったが、「A先生は悪気はないんだけど…言葉がきつすぎるよね。注意はしたから、何かあったらまた言ってね」でいつも終わりだった。


そんな時に管理職はというと「あなた達ができてないのは事実でしょ?」だそうで…Aの方が管理職より先輩なためか、Aに同調してやり過ごそうとする意図が見え見えだった。


そして1年後、B先生は心を病んで辞めていった。