ここ数年、公立幼稚園の定員割れが著しい。

教育委員会の方でも問題視?されているのだが、それについての対応は「公立幼稚園の魅力をもっと分かりやすく発信する」とのことだった…

これについて私の率直な感想…

「違う、そうじゃない」

私は大学卒業後、私立の幼稚園に勤めた。その感覚からするとこの期に及んでまだ「園の魅力発信」と言っているのは遅すぎるし、保護者が幼稚園選びに求めるのは多分そういうことじゃないのだ。

恐らく、

・給食がある(弁当作らなくていい) 
・夏休み、冬休み、春休みの預かり保育がある(朝〜夕方)
・園バスがある(歩いて送迎しなくても良い)

このあたりが園を選ぶ時の検討条件になってくるかと思うのだが、そのどれもが公立幼稚園にはない。

さらに数年前に始まった幼児教育無償化により、公立幼稚園が唯一私立に優位だった「保育料の安さ」がなくなってしまった。

いや、公立幼稚園が私立に優位になれそうなことは専門的に語れば色々あるのだ。ありすぎてここでサラッとかけないのだが、例えば「非認知能力」とか「主体性」とか、そういうことを園ごとだったり園をまたいでだったり、時間をかけて教員同士で勉強しあい、実践していく。「子どもがより良く育つとはどういうことなのか」「そのために教師はどうあるべきか」常に考えて頑張っているのだ。

しかし、そんなの一般にはよく分からないと思うし、それよりも「リトミックで音楽に親しんでます!」「体操の先生がきて、鉄棒とか跳び箱とか教えてくれます!」「給食、園バスあります!」「長期休暇も子どもをあずかります!」という方がわかりやすくて魅力的だろう。(実際自分が親になってみても魅力的だと思う)

この先、少子化で子どもが減っていき、さらに共働き家庭が増えて保育園の需要が高まっていけば、「幼稚園へ入園する子ども」というのは本当に希少な存在になってくる。

公立幼稚園はもし本気で存続しようとするなら、その希少な子どもたちを近隣の私立幼稚園と「奪い合う」ことになるのだ。

果たして教育委員会や管理職(園長)の方々はそのような認識をもっているのか?