5月になり、夏日になる日も出てきたが、この時期行われる遊びに『泥遊び』がある。
この中には、沢山の学びが詰まっている。
①感覚を刺激する
ドロドロの感触、水の冷たさ
②思考力を高める
例えば『長い水路を作って水を流す』というような場面では、「どのくらいの深さの溝を掘って、どれくらいの量の水を流せば良いのか」ということを考えたり、「高低差をつけないと水は流れていかない」というようなことに気づいたりする。
③言語力や調整力を高める
先ほどの水路を作る場面では、ある程度の広さが必要だ。その場合、他の子がいない場所を探したり、「一緒にやろう」と他の子を巻き込んだりすることで広い場を確保できるだろう。また「〇〇ちゃんは溝を深くして」「自分は水を汲んでくるね」というような、友達との言葉のやりとりも活発になったりする。
④体力をつける
溝を掘る際にしゃがんだり、バケツに水を汲んで運んだり、スコップで泥を掻き出したり・・・体を使う場面が沢山ある。
⑤生活習慣を身につける
泥遊びをすると、スコップやバケツなどの遊具や、服や手足もドロドロになる。遊びの後には、スコップやバケツの泥をきれいに洗って片付けることや、手足を水で洗い流すことなども身につける。そして、綺麗な服に着替えることも必要になる。汚れた服はビニール袋に入れて、綺麗な服に着替える・・・慣れない子どもたちにとっては大変なことだが、繰り返すうちに手早くできるようになってくる。プールが始まる前の5月〜6月に泥遊びを沢山経験することで、プールの際の着替えもスムーズになる。
遊びをただ遊ぶだけで終わらせず、子どもにとって価値のある経験にできるように、教師は年齢や個々の発達段階に合わせて、どのような援助をどれくらいするのか、ということを考えて実践している。