風が強く吹いている。
その風が単なる向かい風でなく、
自らが強く前に進むことによる、
切り裂くからこその“それ”なら、
本当に気持ちいいやろなと思う。
立ち止まってのアゲンストだと
思ってたけれど、そうでもない。
そう思うと、少し、気が楽になる。
そんなこと、思ったことなかった。
自分に吹く風は、逆風ではなくて、
風を切って進んでることによるもの。
ポジティブすぎるシンキングやけど、
ネガティブすぎるシンキングよりは、
少しは自分を助けてくれる気がした。
こんな発見なら、いつも大歓迎やな。
箱根駅伝。
むかし、北海道のじいちゃんが、
自分によく言ってたのを思い出す。
「箱根を走るのを、楽しみにしてる」
当時、冗談にしか聞こえなかったし、
そんな、じいちゃんの希望を他所に、
関西の大学に進学をして、でもって、
アルバイトに明け暮れる日々だった。
兄貴も妹も地元を離れて暮らしてた。
そんな3人が久しぶりに揃ったのは、
じいちゃんが亡くなる2日前で、
小樽の小高い丘にある病院だった。
呼吸すら、ままならない状況なのに、
揃った3人を見て、笑った気がした。
で、新年の箱根駅伝を見ることなく、
当然、オレの箱根の力走を見ないで、
雪深い年末、眠るように亡くなった。
別に後悔もない。
箱根は走っていないけれど、
ちゃんと走り続けてはいる。
ただ、向かい風、逆風ってのを
誰かの、何かの、せいにしてた。
そうではないよね、と、気付く。
10年以上、昔のことを思い出し、
新しい角度を気付かせてくれた一冊。
箱根駅伝が好きな人には、オススメ。
よかったら、ぜひ、ご一読を。
風が強く吹いている (新潮文庫)/新潮社
