日本経済が復調し、大企業を中心に業績が回復するなかで企業の採用意欲が高まっている。特に新卒採用に関してはバブル経済崩壊後の“就職氷河期”から一転して売り手市場になっており、優秀な若手社員の確保が多くの企業にとって重要な課題となっている。
若年層を中心に労働市場の需給関係がタイトになるなかで、ニート(働いておらず、学校にも通っていない、職業訓練も受けていない若者たち)の問題は、日本経済ならびに企業の持続可能性に暗い影を落としている。
64万人とも85万人ともいわれるニートについて、現時点では学校を卒業したものの働くことへの第一歩が踏み出せない「新卒ニート」に関心が集まり、その対策が急がれているが、企業経営においてはむしろ、いったんは職に就いたものの、その後就業意欲を失ってしまった「退職型ニート」の存在に目を向ければならない。
内閣府の「若年無業者に関する調査(中間報告)」によると、20~24歳で非求職型ニート(就職希望を表明していながら求職活動は行っていない者)の52%、非希望型ニート(就職希望を表明しない者)の27%が一度は職に就いたにもかかわらずニートとなったとされている。これが、30~34歳となると非求職型で76%、非希望型で37%まで上昇することからも、退職型ニートをいかにして減らすかが人材マネジメントの重要な課題であることがわかる。
働く意欲を持ち、夢や希望を抱いて入社してきた若者が、働く意欲をなくしてしまい、失意のまま退職してしまうのは、若者にとって不幸なのはもちろんのこと、会社にとっても競争力を維持向上するうえで必要不可欠な貴重な戦力を失うという大きな損失を被ることになる。
若手社員が退職型ニートに転落するのを防ぐためには、退職型ニートの前段階となる「社内ニート」の芽を摘むことが肝要である。社内ニートには2種類あって、一つは、なにかのきっかけで、ある日突然働けなくなって離職するリスクが高い「ニート予備軍」である。このタイプはニートとなってしまうまでは普通に、あるいは人並み以上に働いている者が多い。
もう一つは、働く意欲や目的を失ったまま働き続ける「仮面ニート」であり、かりそめに職場に身を置いてはいるものの、実質的にニートと変わらない者である。
このタイプは、本人に働く意欲がない、またはその結果仕事をするうえで必要なスキルを身につけることができないがゆえにやる仕事がなく、仕事を与えてもらえない社内失業状態に置かれていることが多い。
誤解のないように言っておくが、仮面ニートを「仕事に情熱を持つことなく、会社への帰属意識もないままほとんど働きもせず、ただ来て帰るだけの給料泥棒」と単純に現象面のみを捉えてしまっては本質的な問題を見誤ることになる。
ニート予備軍と仮面ニートの違いは、ニートとなるリスクが顕在化しているか否かの違いにすぎない。問題なのは、もともとは働く意欲を持って職場にやってきた若者が社内ニート化してしまう点にある。これにはいくつか理由があるが、ここでは「働くことの意味」に焦点をあてて話をする。
ニート問題は若者が未来に希望を持てなくなってしまった日本社会にその一因がある。苦労して就職し、辛いことも我慢して一生懸命努力し、長い年月を通して働き続けても何もよいことがないのだとすれば、人はいったい何のために働くのだろうか。
実はそれはニートの当事者である若者の問題であると同時に、親の世代、中高年世代の問題でもある。「自分はいったい何のために働いているのだろうか?」と自問して答えられないのであれば、年齢に関係なくいつニートになってもおかしくないのである。
バブル経済崩壊後10年以上に亘って、企業は財務基盤を強化するためリストラクチャリングの名の下に人員削減を推し進めた結果、雇用は不安定なものとなり、一人あたりの業務負荷は心身共に高くなっている。
一生懸命努力してもリストラで職を失ってしまう、過労死やうつ病になるリスクが高まる、きつい割には報われない。だとすれば働く先には灰色の未来しかないのだと思う若者を責めることはできない。
社内ニートは、夢も希望も抱いて入社した職場で待っていたのが、まさにそのような現実であったことに端を発することが少なくない。望んで入ったはずの会社であったのに、自分なりに描いた働くうえでの理想と現実との埋めがたいギャップに打ちのめされて働く意欲を失ってしまうのである。
嫌々やらされる仕事とは“労働”であり“苦役”である。働くということ、仕事をするということには本来は前向きなニュアンスが含まれていなければならない。仕事に夢が持てない職場、働くことにやりがいや面白みを見いだせない職場では、若手社員が社内ニート化するリスクが高い。
それでも、自分が目標として目指そうと思えるロールモデルたりうる上司や先輩がいる職場で働く若手社員は幸せである。自分の仕事にプライドを持っていきいきと働く上司や先輩を見れば、たとえどんなに苦しかろうと働くということは案外、悪いものではないと思えるだろう。
若手社員は、自分の5年後、10年後、30年後の姿を上司や先輩の“今”に投影して見ているのだ。その意味では、中高年社員がいきいきと働いていない職場で、若手に働くことの希望を与えることはできない。若手社員をニート化させないためには、中高年社員を“輝かせる”ための人事マネジメントでなければならない。
ちょっと参考になったんで、ネットの記事をコピペしました(違法行為?)。
いやいや。いろんなこと考える人が多いんだねー。。。