先日、娘の通う予備校で、公開講座があったので参加してきました。
カリスマ講師N先生の「受験に出ない話を180分」喋り続ける、という授業(笑)。
社会人もちらほらいた様子。
でもほとんどが18~20歳くらい100人以上。
「受験には出ないと言ったのに、よく来たな、君たち。
受験生にとって今日は、ハッキリ言って、時間の無駄だ。受験に関しては。
でも、1年後でも5年後でもいいから
何かひとつでも思い出せるようなことを持って帰って欲しいと思って
180分話します。」
そんな話し出しで、配ったレジュメを使わず(軽く小冊子くらいの厚さ64ページ)
ほんとに3時間喋りどおし!講師魂を観ました。。。
話も本当に面白かったし、胸に響くキーワードがいくつもあった。
N先生は、知識も見聞もものすごく広そうで、
言語習得に関する様々な逸話や
ご自身の体験、、、、引き出しの多いこと。
しかしそれより何より
ハラから話しているところが響きました。
腹式呼吸とかの話でなく(むしろカツゼツは聴きとれない部分もあったけど)
嘘偽り飾りのない本心からのメッセージ。
講義内容も「借りものでない、自分の言葉で話せ」というようなテーマで
それを体現しておられました。
私も常々ブライトマインドを伝える人として
ブライトマインドを生きていよう、と念じています。
64ページ分・3時間の講義の仕上げは、
英語の慣用句や名言をいろいろ紹介して
そこにいちいちひとことコメントが添えられている、
Boys be ambitious のその先まで覚えろとか
浪人生向けに、失敗を成功に変えろ的なものも満載。
レジュメの最後の行は
Hitch your wagon to a star.
・・・高い理想と想像力を持ってください・・・
で〆られていました。
やられた~~~!
愛と志のある、そして個性的な講師がいる予備校、いいじゃん!
偏差値を上げるとか合格率を上げるとかだけじゃないんだな。
もちろんそれが本来の目的である学校だけれど
それでもこんな風に、
この年齢の、この状況の、1年こっきりしか付き合わない(願わくば)、
生徒たちに
長い人生を生きる人の一時期である、という観点で
「伝えたいメッセージを持って」教壇に立つ講師。
いいね、予備校。
もし、大学受験生がお子さんにいる方、または現在浪人生がいる方、
将来そのような状況になった時に、
これを読んだこと覚えていてくれたら嬉しい。
大学という教育機関に入る前に1年
予備校という教育機関で学ぶというのは
全然無駄な経験ではなさそうです。
志望校に落ちたらその時はショックだろうけど、
1年、遅れるのではなく、大事な違う経験の1年を過ごすんだということ。
高校の授業よりも内容は面白そうだし
大学の授業よりもクラス全体の集中力がありそうだ。
(これは大学にも学部にも教科にも寄るだろうけど
どんなに集中する授業でも、この「合格」に向けた空気って独特だと思う)
クラスの人たちの志望校はいろいろだから、
大学で会うのとは毛色が違う友だちもできる。
最初に志望したよりも高いランクの学校も目指せる。
それは、目的地に直行便で向かうのでなく、
目的としてなかった土地にトランジットのために立ち寄って
飛行機の機材故障で期せずして数泊する旅みたいなものかもしれない。
ただの待ち時間としてイライラしながら過ごすのか
それとも
その土地での景色や食べ物や人との交流を存分に楽しむのかは
自分次第。
これって、病気や、怪我や、もしかすると周産期にもあてはめて考えられる。
(これらを同列にするのは誤解を招くかもだけど、
何かの機会を逸した、と感じる状況があればという意味で)
いまこの経験をどう味わうのか。
焦りを手放し、今ここを味わいながら
Hitch your wagon to a star.
予備校タワー、13階の窓からの景色。
みんなこの空を眺めながら
どんな未来を描いているんだろう。
浪人という予測しなかったエアポケットのような年を
どんなメンタリティで過ごしているんだろう。