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ネットにまつわる良い話。

人気ブログの作者のトークショーできいたいい話。


その人気ブログの作者は過去の体験をもとにした半分フィクションに近い小説をブログで公開している。

いまでこそ、ランキングが上位で、アクセス数も一日に何千もの数字を誇っているが、

ブログを始めた当初は、1日にアクセスが数件。

見に来てくれている人がいるのかどうかすら怪しい状況であった。


それでも、ブログを続けるに連れ、読者が1人、2人と少しではあるもののついてきた。

そんな、ブログの読者のひとりに浪人生がいた。

彼は有名な大学に入学することを夢見て、終日勉強に励む浪人生。

その合間の息抜きにブログを見て楽しむ、そんな生活をしているうちに、読者のひとりになっていったのだろう。

コメントを交わす内にブログ作者と浪人生は仲良くなっていった。

ブログの小説に行き詰まったときは、浪人生が作者を励まし。

時には、浪人生をから借りながらも作者が励ます。

そんな関係がつづいていたある日、とうとうブログ作者は小説をおしまいにしようかと、思った。

もともと、書きたかったことがあり、それを書いて潔くブログを終える。

作者にも生活があるし、仕事もある。

なにより、書きたいことを書き終えたらブログを続ける理由がない。

ところが、それを知った浪人生はやめないで欲しい。

これからも書き続けて欲しいと懇願した。

それと同時に彼はある告白をした。

「僕の余命は1年です。どうせ死ぬ運命なら志望する大学へ合格して人生を終えたい。」

作者は驚いた。

何故、彼は残り僅かな人生を勉強なんかに費やすのか。

有名な大学にこだわらないで、どこでも入学してキャンパスライフを楽しめばいいじゃないか。

ところが、浪人生はその道を選ばなかった。

「自分の生きた証を納得するもので残したい」

もしかしたら、受験に落ちてしまうかもしれない。

もしかしたら、試験まで生きられないかもしれない。

それでも、彼は浪人という道を選んだ。

辛く苦しいはずである勉強に励み、志望する大学に入学したいという信念を貫くことを選んだ。

これを聞いた作者はブログを続けることを決意した。

彼のコメントがいつまで書き込まれるかわからない。

最後まで自分のブログを読んでもらえるかわからない。

それでもいい。

彼を励ますために。

彼の意思を引き継ぐために。



それから数年、ブログ小説は更新を重ね、書籍となり、映画にもなり、そして現在も続いている。

天国の大学生を楽しませるために。


NTT西日本 コミュニケーション大賞