【ディスクレビュー♪11】
RAGE / Perfect Man
(1) Wasteland
(2) In the Darkest Hour
(3) Animal Instinct
(4) Perfect Man
(5) Sinister Thinking
(6) Supersonic Hydromatic
(7) Don't Faer the Winter
(8) Death in the Afternoon
(9) A Pilgrim's Path
(10) Timen and Place
(11) Round Trip
(12) Between the Lines
(13) Symbols of Our Fear
(14) Neurotic
先日いよいよ武道館公演を実現させたHELLOWEENと同時期(1986年)にデビューしていながら、未だに派手なブレイクはないが、コンスタントに良作を生み出し続けているRAGEの3作目(1988年リリース)。
いわゆるHELLOWEEN型のパワーメタルが、「ジャーマンメタル」後に「メロディックパワーメタル」という新たなジャンルを確立する礎となったアルバムは、HELLOWEENの3作目 "Keeper of the Seven Keys Part 1" であることに疑いの余地はないところだが、この頃すでに個性的メロディで異彩を放っていたのが同郷のRAGEだった。特に、3作目の本作から加入したマンニシュミット(G)の奇抜なリフは、ピーヴィー(V&B)の書く風変わりなメロディと化学反応を起こし、RAGEをジャーマンメタルシーンを牽引するバンドのひとつまでに成長させることになった。
このアルバムは、HELLOWEEN型のB級ジャーマンメタルを発掘することに躍起になっていた頃に出会った。ジャーマンメタルが日本でバズり、数多くのバンドが日本デビューする少し前のことだった。数カ月に一度、某誌のレビューとジャケット、裏面のアー写を頼りに大量に仕入れていた師匠のCDの中に、このアルバムはあった。当時完全にスラッシュメタルに振り切っていた師匠には、このアルバムはメロディックすぎたようで、少しザッピングしただけで私に快く貸し出してくれたのだった。
とりわけ(1)(6)(7)(9)(12)(13)は現在の「RAGE節」のルーツとも言える個性的なメロディが印象的なスピードナンバーで、コンパクトながらもインターパートが非常に良く練られており、絶大なインパクトを放つ。それ以外の曲はいずれも少しスローダウンしたパワーメタルだが、そうしたタイプの曲ではRAGEの個性がさらに際立ち、マンニのプレイスタイルもより奔放に、トリーッキーになる。スローテンポ~ミディアムテンポの曲では、どこかミステリアスなムードを醸し出すのもRAGEの特徴と言える。
現在のRAGEではすっかり洗練されてしまった奇妙な歌メロ、リードベース並みのメロディックなベースライン、奇才ぶりを遺憾なく発揮するマンニのリフワークがここにはある。ジャーマンメタルの先導者となったHELLOWEENのような大仰な仕掛けや緻密な構築美はないが、フォロワーを生み出しえない独特の個性で異彩を放ち続けるRAGEは、いまもなお私にとって注目せざるを得ないバンドとなっている。
なお、(13)(14)はCDのみのボーナストラックだが、現行盤にも収録されている。
