メロディックデスメタルはハマるほど聴いたことがないし、そもそも無職の分際なので、行くつもりはさらさらなかったのだが、あまりにもヤバいこの状況払拭すべく、実に1週間前に妻にエイヤっと了承を得て、チケットを確保したのだった。

 

 

 

 冷たい雨が降りしきる中、傘も持たずにパーカーのフードをすっぽり被り、極端に少ない物販の列に並んだ。客が少ないにもかかわらず、お目当ての長TはXXLもXLもソールドアウトで、まさかLサイズまでダイエットする気もないので、ジェケTで我慢。それにしても、この物販の客入りの寂しさは、ハコが大きすぎるんじゃないかと心配を煽った。

 

 ARCH ENEMYはメロデスの草創期から、日本ではある程度人気のあったバンドで、今回が19回目(フェス含む)の来日だが、コロナ禍もあって、実に5年ぶりにスウェーデンからやって来た。

 いざ開場時間になると、物販の時とは打って変わって長蛇の列で、整理番号300番台の私は、すでに最後列を覚悟したのだった。通常のキャパならスタンディングで1200人らしいが、ソーシャルディスタンスの確保もあって、最近は500人程度なんだろう。私は幸いにも最後列の安全手摺の場所取りができた。客入りは8割程度か。

 

 

 メタル歴の長い私にしても、ちょっと誰だかわからないマイナーな選曲のBGMが終わると、2音下げチューニングの地を這うような重低音の大波に飲み込まれていった。ブラストビートとドゥーミーなリフ、そしてアリッサ嬢の獣のようなグロウル、真正のデスメタルなのに、カリスマ=マイケルアモットの奏でる甘く悲しい調べは、バンドの爆音に埋もれることなく、終始一貫麗しく泣いていた。数々のメタルの中でもひときわ轟音だが、音のバランスがとても良かった。

 位置取り成功。PA近くの最後列がベストに決まってる。

 

 

 

 やっぱり観に行ってよかった。

メロデスの持つ攻撃性と相反する甘美な至極のメロディが、ここまで私の胸に期外収縮を起こさせるとは思ってもみなかった。

 会場出口で飛ぶように売れているCDとDVDを横目で流し、帰路牧のうどんのカウンターで、数%安いアマのDVDをポチる私だった。

 

また、ヤバい時はこの音に癒されよう。

 

 

 

 

 

 

最後にこの日のセットリストも書いておこう。

 

= ARCH ENEMY "Deceivers Japan Tour 2023" SETLIST = 
at ZeppFukuoka on March 1st, 2023

 1 Deceiver, Deceiver
 2 The World Is Yours
 3 Ravenous
 4 War Eternal
 5 In the Eye of the Storm
 6 House of Mirrors
 7 My Apocalyose
 8 The Watcher
 9 The Eagle Flies Alone
10 Handshake with Hell

11 Sunset over the Empire

12 Blood on Your Hands
13 As the Pages Burn

En

14 Enemy within

15 Burning Angel

16 Snowbound
17 Nemosis

18 Fields of Desolation

 

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