家族承諾のみで臓器提供へ 40代女性 法改正後5例目


. 日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は1日、北部九州地方の病院に入院中の40歳代の女性が、改正臓器移植法に基づいて脳死と判定され、心臓や肺などを提供する手続きに入ったと発表した。

7月に改正法が本格施行されたあと、本人の提供の意思が書面で残されておらず、家族の承諾だけで臓器が提供されるのは5例目。


 移植ネットによると、同病院で女性の脳死判定が行われ、1日午前0時54分に2回目の脳死判定が終わって死亡が確定した。女性はくも膜下出血を起こしていた。

 脳死判定に先駆けて、同病院の医師は女性の家族に対し、女性の脳の機能が失われていて、治療を尽くしても回復が見込めず、脳死とみられる状態になったことを説明したとみられる。

家族は、病院から連絡を受けた移植ネットが派遣したコーディネーターから、脳死判定や臓器摘出について詳しい説明を聞いたうえで承諾書に署名したものとみられる。


 移植ネットは移植希望を登録して待機している患者の中から、血液型や緊急度に応じて、それぞれの臓器の移植を受ける患者を選ぶ。


 2009年7月に成立した改正法は、脳死を一律に人の死とする考えを背景に提案された。本人の意思が書面に残されておらず、よくわからない場合、家族の承諾で提供できるようになった。



asahi.comニュース 2010年9月1日10時16分