2010年3月31日 読売新聞
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=22750
移植の前に(2)最新人工心臓 独で装着
重い心臓病で心臓移植を受けるためにドイツへ渡った福岡県の松永真和さん(32)は、国内では未承認の国産医療機器のおかけで、無事、移植が受けられた。
トラック運転手をしていた2000年11月、心臓の収縮力が弱まる「拡張型心筋症」と診断された。
症状は進み、心臓移植が必要となった。国内での移植を望んだが、移植の機会が巡ってこない。
海外移植を決意し、07年9月、受け入れてくれる医療機関があるドイツへ渡った。
ところが、渡航直後に症状が急変。心臓の働きを助ける「補助人工心臓」を装着した。これは、日本の医療機器メーカーが開発したもので、欧州では07年2月から販売が始まった最新式だった。
血液を送り出すポンプは体内に埋め込まれ、小型バッグに入る駆動装置で動くので、装着したまま在宅療養できる。
国内の保険で使える補助人工心臓は当時も今も、1980年代に開発された1種類しかない。
血液ポンプは体外に置かれる。
ポンプ内で血液の固まり(血栓)ができて脳梗塞を起こす危険性があるので、1、2か月に1度、ポンプ交換が必要になることが多い。
駆動装置は小型の冷蔵庫くらいの大きさがあり、装着したら、退院は不可能だ。
松永さんは、高性能の補助人工心臓を装着したことで救われた。2年近く待機して心臓移植を受け、09年11月下旬、帰国することができた。
ただ、皮肉な出来事が——。
松永さんがドイツ滞在中、自分より後に来た日本人患者3人が、先に心臓移植を受けて帰国していった。うち2人は、旧式の補助人工心臓を装着していて緊急度が最上位に置かれたためだ。
「でも、間に合わなかった可能性もあるのだから、旧式のほうが得な面があるとは決して言えない」と松永さんは話す。
ドイツは日本人患者の受け入れをやめる方針で、心臓の海外移植が受けられる国は米国だけになった。
日本移植学会によると、国内移植を希望する患者の待機期間の平均は約2・5年。
旧式の補助人工心臓では、移植の機会が訪れる前に亡くなる危険性が高くなる。
最新式は日本ではいまだに承認申請の段階だ。
松永さんのドイツでの移植を橋渡しした日大医学部教授の南和友さん(心臓血管外科)は「日本は医療機器が承認されるまでに時間がかかるので、企業は製品を出すのを敬遠してしまう。
欧米に比べて少ない承認審査の担当者を増やすなど、国は対策を取るべきだ」と指摘している。
(2010年3月31日 読売新聞)
VAD患者は増え続け、
既にVAD患者を受け入れられる病院はパンク状態です。
国内では未承認の、高性能な体内埋め込み型補助人工心臓の認可を 現場は待ち望んでいます。
旧型の補助人工心臓も
予備機が無いに等しいのが
現状だそうです。
このまま日本の心臓移植医療が進まなければ…
VAD患者は毎日合併症と戦い、怯え、そして 自宅に帰れる事を夢見て生きています。。。
ヤギケン
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=22750
移植の前に(2)最新人工心臓 独で装着
重い心臓病で心臓移植を受けるためにドイツへ渡った福岡県の松永真和さん(32)は、国内では未承認の国産医療機器のおかけで、無事、移植が受けられた。
トラック運転手をしていた2000年11月、心臓の収縮力が弱まる「拡張型心筋症」と診断された。
症状は進み、心臓移植が必要となった。国内での移植を望んだが、移植の機会が巡ってこない。
海外移植を決意し、07年9月、受け入れてくれる医療機関があるドイツへ渡った。
ところが、渡航直後に症状が急変。心臓の働きを助ける「補助人工心臓」を装着した。これは、日本の医療機器メーカーが開発したもので、欧州では07年2月から販売が始まった最新式だった。
血液を送り出すポンプは体内に埋め込まれ、小型バッグに入る駆動装置で動くので、装着したまま在宅療養できる。
国内の保険で使える補助人工心臓は当時も今も、1980年代に開発された1種類しかない。
血液ポンプは体外に置かれる。
ポンプ内で血液の固まり(血栓)ができて脳梗塞を起こす危険性があるので、1、2か月に1度、ポンプ交換が必要になることが多い。
駆動装置は小型の冷蔵庫くらいの大きさがあり、装着したら、退院は不可能だ。
松永さんは、高性能の補助人工心臓を装着したことで救われた。2年近く待機して心臓移植を受け、09年11月下旬、帰国することができた。
ただ、皮肉な出来事が——。
松永さんがドイツ滞在中、自分より後に来た日本人患者3人が、先に心臓移植を受けて帰国していった。うち2人は、旧式の補助人工心臓を装着していて緊急度が最上位に置かれたためだ。
「でも、間に合わなかった可能性もあるのだから、旧式のほうが得な面があるとは決して言えない」と松永さんは話す。
ドイツは日本人患者の受け入れをやめる方針で、心臓の海外移植が受けられる国は米国だけになった。
日本移植学会によると、国内移植を希望する患者の待機期間の平均は約2・5年。
旧式の補助人工心臓では、移植の機会が訪れる前に亡くなる危険性が高くなる。
最新式は日本ではいまだに承認申請の段階だ。
松永さんのドイツでの移植を橋渡しした日大医学部教授の南和友さん(心臓血管外科)は「日本は医療機器が承認されるまでに時間がかかるので、企業は製品を出すのを敬遠してしまう。
欧米に比べて少ない承認審査の担当者を増やすなど、国は対策を取るべきだ」と指摘している。
(2010年3月31日 読売新聞)
VAD患者は増え続け、
既にVAD患者を受け入れられる病院はパンク状態です。
国内では未承認の、高性能な体内埋め込み型補助人工心臓の認可を 現場は待ち望んでいます。
旧型の補助人工心臓も
予備機が無いに等しいのが
現状だそうです。
このまま日本の心臓移植医療が進まなければ…
VAD患者は毎日合併症と戦い、怯え、そして 自宅に帰れる事を夢見て生きています。。。
ヤギケン