最近インプットしてばかりな生活送ってるなあ...と、ふと思ってしまったので。
日記とかはおそらく多分絶対に続かないから...というか、飲むかバイトか一人遊びかの怠惰で平凡な毎日を綴ってもなんの生産性もないと思うので、読んだ本とか見た映画の感想なんかを気が向いたらちょろちょろっと書いてみる、予定。...うん、予定は未定です。

とりあえずなにかしらアウトプットしたいだけ!はい!



太陽王と月の王/澁澤龍彦 (1980)

$.+。'LOVEずっきゅん'.+。

十九世紀バイエルン王国で夢の世界に生きた狂王の生涯を描いた表題作を含む、傑作エッセイ二十五編が収録された澁澤龍彦のエッセイ集。

澁澤龍彦の小説はいくつか読んだことがあったけれど、エッセイは今回初めて読みました。
この人はたくさんエッセイ出してるから、どれから読もうかなあとわくわくしながら本屋へ。
タイトルと表紙でこれに決定。...いや正直全部惹かれたけれど(「胡桃の中の世界」とか「幻想の彼方へ」とかどれも私の心を鷲掴みするような秀逸タイトルなんだもの...)金欠のためとりあえず一冊で我慢。

読了後、澁澤龍彦がどういう人間なのかうっすらとわかったような気がしないでも、ない。
サドの翻訳しているような人だし、小説もかなり変態的な(もちろんそれが幻想的で美しいイメージを生み出しているんだけど)ものを描く人だから、相当偏執的で変わった人なんだろうなと勝手に想像していたんだけれど、全然そんなことなかった。ように思う。

中学から高校時代はオスカー・ワイルドに傾倒し、大学時代にはジャン・コクトーを読み耽って...もうその頃からずっと幻想的で非現実的な夢の世界に憧れていたんだろうな。

それなのに、例えば森茉莉のような(私は知識がないので比較対象が森茉莉しか思いつかなかっただけで他意はない)地に足着かないかんじで生きてきたようすが全く感じられない。それどころか、とても現実主義的な考え方の人だなと思った。あ、でもやっぱりそういうリアリストほど超現実的な世界に惹かれるのか。

で、この本の中で私の一番のお気に入りはやっぱり表題作、太陽王と月の王。
今ではドイツ一の観光名所にもなって、日本人でも知らない人はいない(ちょっと言い過ぎ?)ノイシュヴァンシュタイン城を建てたバイエルン国王、ルートヴィヒ二世のおはなし。

私はノイシュヴァンシュタイン城には行ったことがない。
けれど、著者の賞賛と呆れの混じった、玉座の間から寝室までの城内部の詳細な描写や、(著者が考える)ルートヴィヒ二世のこの城にかけた思いがつらつらと綴られ、もう私の頭の中では、たくさんのワーグナーの主題による壁画がそこかしこに掛けられ、目もくらむような色彩の混沌の中で贅の限りが尽くされた絢爛な城内に一人たたずむ孤独な狂王のイメージが、完全に出来上がってしまった。

ちなみに城の建設には非常に長い年月がかかり(20年弱くらい)、さらにルートヴィヒ二世は若くして謎の死を迎えてしまったので、実際に王が城の中で暮らしたのはわずか三ヶ月余りらしい。
しかもその時点で城はまだ未完だったそな。

「玉座のない王座の間は、私たちに一抹のさびしさをあたえるだろう。」

王座は王が死んじゃったから建設中止されたらしい。よ。
...なんともロマンティックで美しくて幻想的で、歪なお城ですね。

あ、もちろん月の王はルートヴィヒ二世のことで、太陽王はフランスのルイ十四世のことだそな。


もっと書きたいけれどああ疲れてしまったので
おわり。