たとえ私の宿命の日は過ぎ
私の運命の星は傾いたけれど
あなたのやさしい心は、多くの人の気づく
私の過ちを見出そうとはしなかった。
たとえあなたの魂は私の悲しみを知ってはいたが、
私の悲しみを分かつことをためらわなかった。
そして私の心の描いた恋は
あなたの外には見出せなかった。
辺りの自然が私の微笑に答えて
最後の微笑を洩らすとき、
それが偽りであるとは信じたくない。
それはあなたの微笑を思い起こさせるから。
そして私が信じている人々が私と争うように、
風が大洋と争うとき、
その大波が情感をかき立てるなら、
それは大波があなたから私を連れ去るからだ。
たとえ私の最後の希望の岩が砕けて、
その破片が波間に沈んだとしても、
たとえ私の魂が苦痛に引き渡される
思いがしても――私の魂はその奴隷にはならない。
私を追う多くの苦しみがある。
その苦しみにおし潰されようと、私は侮られはしない、
その苦しみに責め苛まれようと、私は屈しない――
私の思うのは苦しみのことではない――あなたのことだ。
人間でありながら、あなたは私を欺かなかった、
女でありながら、あなたは私を見捨てなかった、
たとえ愛されても、あなたは私を悲しませまいとし、
たとえ謗られても、あなたは心を動かさなかった――
信じられても、あなたは私を棄てなかった、
別れても、逃げ去るためではなかった、
見張りしても、私の名誉を傷つけるためではなかった、
また黙って、世の誹りに任すこともなかった。
しかし私は世をとがめず、侮りもしない、
一人と多くの戦いを――
もし私の魂が世を尊ぶのにふさわしくないならば、
早く避けないのは愚かであった。
もしもその過ちが高価について、
かつての予想を超えたとしても、
私は知った、それが何を私から奪おうと、
私からあなたを奪い去ることは出来ないということを。
滅んでいった、過去の残骸から、
これだけを私は少なくとも思い出すことが出来る、
それは私の最も懐かしんでいたものが、
最愛のものにふさわしいことを教えてくれた。
砂漠の中にも泉が湧き、
ひろい荒野にはまだ木がある。
そして淋しく歌っている一羽の鳥は、
私の心にあなたのことを告げている。