万年筆のことをよく知らなくても『Montblanc(モンブラン)』という名前は
耳にしたことがある、という人は多いですよね。
『Montblanc(モンブラン)』 は世界的に抜群の知名度を誇る
万年筆のトップメーカーです。
とは言え、モンブランがどのようなメーカーなのか、よく知らない人も
いると思いますのでご紹介しておきましょう。
モンブランは、「The Art of Writing(書く芸術)」と自負するとおり、
世界中の万年筆愛好家に最高級ブランドとして知られています。
高品質とデザイン性の高さから、“芸術品”とまで言われ、
プロの作家から一般人まで幅広く愛されています。
モンブランの誕生は1906年。
およそ100年前のドイツまで遡ります。
クラウス・ヨハネス・フォスという企業家によって、モンブランの歴史は
第一歩を踏み出しました。
フォスはハンブルクでペンの製造を営む2人の技術者に出資し、
当時の主流であったスポイト式のペンを製造します。
初期の頃は資金難など、苦境に立たされますが、オリジナルの
セーフティーペン(キャップにピンが仕込まれていて、キャップを
閉めるとピンがペン先を保護するという仕組み)が成功し
苦境を乗り越えました。
そして、1909年に創業者の会合で
『Montblanc(モンブラン)』 の
ネーミングが生まれ商標登録されると、その後製造される
すべての筆記具に用いられるようになりました。
1913年にはモンブランのブランドシンボルである「ホワイトスター」が
誕生します。
ホワイトスターは、ヨーロッパの最高峰であるモンブランの山頂を
覆う万年雪をイメージしており、良質なヨーロピアンークラフトマンシップ
の最高品質を象徴しています。
現在は、ホワイトスターと称していますが、もともとは標高4810メートルの
山頂の雪景色を、上空から見た様子だったのです。
ヒマラヤの山頂に積もる雪をイメージしたこのシンボルマークの
誕生には次のような逸話があります。
1910年当時、モンブランの万年筆はトップに白いキャップを
あしらったものをメインに製造し、それがモンブラン万年筆の
シンボルとされていました。
モンブラン社はシンボルと認知されているこのデザインを商標登録
しようとしましたが、万年筆のデザインで商標登録はかないませんでした。
そこで、商標登録が可能なホワイトスターのマークを取り入れ、
以来ホワイトスターがモンブランの象徴として、それぞれの
万年筆の頂上んい座すこととなるのです。
シンボルマークが徐々に認知されていったのではなく、
認知されたデザインを表すためにシンボルマークが生まれたという
わけです。
それが1924年に登場した“Meisterstuck(マイスターシュチュック)”です。
マイスターシュテュックの名を知らない人でさえ、“万年筆”と聞いて
イメージするのは、黒いボディーに金のクリップではないでしょうか?
次回のブログでは、このマイスターシュテュック のお話をしますね。