日本保守党の飯山あかり候補の演説はインパクトが強いという評価を多方面から聞く。

 

たしかに彼女の演説は短いながらも強烈に記憶に刺さる。

 

独特のロジックがそれを生み出していると思う。

 

彼女は政治的には素人だから実績がないが、それをうまく逆手に取る。

 

直接的に自分の優位性をアピールできないので、「既存政党」と「素人の自分」という対立軸を作り出す。

 

既存政党に満足している有権者などほとんどいない。

 

だから「既存政党や既存の政治家を当選させると社会はもっと悪くなる」という有権者の不満、不安を喚起する。

 

・北朝鮮からミサイルが飛んでくるのを放置してよいのか?

 

・むやみに移民を増やして治安を悪化させてよいのか?

 

・国会議員の報酬や税制が優遇されているから、二世、三世の世襲ボンクラ議員が増えてしまうのではないか?

 

・30年間給料が上がらない経済政策など間違っているのではないか?

 

などなど。

 

また他の候補者の欺瞞も俎上にあげる。

 

候補者討論会をトンズラし、独裁体制敷く共産党に指示される女に政治を任せられるか!

 

5人と不倫して妻子を捨てた男に「だれひとり見捨てない政治」と言われても信用できるのか!

 

ふつうはここで「クリーンな政治」とか陳腐で抽象的なセリフを吐いてしまうのだが、彼女は違う

 

このような欺瞞に満ちた候補者を選びたくなければ自分、飯山あかりに投票するしかないと訴える。

 

飯山あかりを選ぶことで政治に参加するよう有権者に迫る。

 

自分は政治と関係ない素人であり、市井のひとたちの一人として永田町で暴れると訴える。

 

その熱量が有権者に刺さる。

 

明確な対立軸を設定し、ライバルを圧倒する。

 

ライバルを抵抗勢力と言い切った小泉純一郎の郵政選挙を思い出す。