ものまねは苦手。
けれど、「なりきる」技にちょっと自信がある。
「なりきる」ものは、たいてい静物。
雨の土曜日は、クレープになりきる。
ダイエーで一目ぼれ買いした、お気に入りの毛布。
ほんのり焼けたクレープの生地色。
チクチクもゴワゴワもせず、肌にちょうどしっくりくる。
電話で、親友と些細なケンカをして、
気晴らしにクレープになった。
「私は、エクアドル産バナナ。最近黒ジミが気になるの。」![]()
横回転で毛布のクレープ生地に巻かれながら、
ちょっとだけ、恥ずかしくなった。
それから少しおかしくて笑って、
悲しくて泣いて
いつの間にか眠りに落ちた。
毛布よりも、ずっと柔らかくて温かいものに
包まれていたかったことに気づいて。
