空を見上げると、翼のような雲が一面に広がっていた。
それがだんだん本当の鳥のような形になっていき、まるで鳥のレントゲン写真のように、全体の骨組みまで見えるようになった。
オレは、傍にいた弟に「オイ、空を見ろよ、スゴイことになってるぞ」というが、弟は氣がついているのに知らないフリをする。

そのうち、空には陸上競技のトラックのような円形の星空に変わり、ペガサスや牛のようなものまで確認することができた。
地上から見上げているのに、それが何を表しているのか、オレにはわかった。
一カ所だけ、星が集まったようなところへ攻撃をしているのだ。

その星雲は悪意に満ちていて、この世界を滅ぼそうと画策している。
それを防ぐために、地上から人を募り闘っているのだ。
選ばれた人間だけが行ったわけではない。
己の意志で行ったのだ。
さっき見えた、鳥のレントゲン写真のようなものは、彼らを運んでいったものだ。
オレは、何故行かなかったのだろうと自問自答を続けている。

今は、オレ達の変わりに行ってくれた人々の勝利を祈るしかない。
ペガサス達から、ビームのようなものが放たれた。
太陽系も強力なビームを放つ。
もう少しというところで、悪意に満ちた星雲がビームを跳ね返し、太陽系ははじき飛ばされてしまった。
という夢を見たんだな、これが。