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たっちんとは、以前働いていた病院の外科部長です。仲良くしていただいていたので、あえて当時呼んでいた”たっちん”と書かせていただきます。

その病院は、結構な救急病院で、ドクター達はほとんど病院に住んでいました。そして、体育会系で、
”体力と根性のないもの救急をやるべからず”
という暗黙の了解がありました。そしてほとんどの職員が体育クラブに属していました。
私は運動オンチなのですが、マラソンクラブに入っていました。理由はひとつ。マラソンなら病院の外に出れるし、県外のマラソン大会にも参加していいことになっていたので。
そして、マラソンクラブのチーフがたっちんでした。
外科部長のくせに、医学的になにか相談しても、答えはいつも、
「走れば良くなる。」
でした。
患者さんに応用したことはさすがにありませんが、私が原因不明のじんましんに悩まされ、相談した時も、
「走っていればよくなるんだよ。」
と言われました。
じんましんの時に走ったら、余計にわるくなるじゃんか…
と思いながらも、じんましんでマラソン練習は休ませてもらえなかったこともあり、少しだけですが、走ってみていました。
何日か走っていたら、なくなりました。
医学的に根拠は?
と考えてみたりするのですが、おそらく何かのストレスの改善に役立ったのではないかと推測しています。

以来私は若干たっちん信者で、私にどうにも解決できそうにないことがあれば、
走ればよくなる。
はず、と思ってみています。

そんなたっちんですが、後で親友ドクターから聞いた話によると、彼が走り始めたのは、奥様を乳癌で亡くしてからだ、ということでした。
外科部長のたっちんが、乳癌で奥様を…
と考えると、たっちんの心情は計り知れないものがありますが、
走れば良くなる
というのは、彼自身が見つけた、自分への最適な治療法だったのでは、と考えるのです。

写真はアパートメントのジム。
今日もたっちんと走ってみるかな…