野田秀樹の芝居も、チケット入手困難で、
Mちゃんがず~っとNODA MAPを見続けている関係でチケットが取れたので、
10月30日、池袋芸術劇場で観てきました。
 
MIWAは、あの美輪明宏の人生を野田流に描いた作品で、
美輪さんが生まれる前、神のもとで“作られた”時点で、
男でもない女でもない“化物”(古田新太)が入り込んでいた、という設定で、
外見としては宮沢りえが表現し、時に内面との葛藤で古田新太と語りぶつかり合う。
ものすごいセリフの量で、それにも噛まない宮沢りえに驚いたけど、
天海祐希の代役で2日でセリフを覚えた宮沢りえにはできないことじゃないのね。
 
今では、オネエキャラだとか、ニューハーフだとかって、
世間にもけっこう受け入れられた感のあるゲイだけれど、
それでも、例えば身内にカミングアウトされたらどうなんだろう。
やはり、なんで?と異質なもの扱いされる事が多いんだろうな。
 
美輪さんが、TVで涙ぐみながら話していた経験談、
同性愛者だと家族に話したら、家族から責められ罵られ、
母の言った一言に深く傷つき自殺した人の話もちゃんと書かれていた。
 
「小さい頃から気味が悪かった」
 
お前の言ったこの言葉があの人を殺したんだ!
これを一生抱えて生きていくがいい、というようなセリフだったかな。
本当のことだから、重いよね。
こういう経験をしているから、自分で自分のことを「おかま」だなんて言ってしまう、
OとP子は絶交した、ってTVですごく怒っていたな。
怒りの矛先が、ちょ~っとまだ完全に理解できてないんだけどね。
 
生まれが長崎で、原爆にもあい、原爆症にも苦しんでいたという。
心と体のギャップに苦しみながら、
「生きてやる!」と闘ってきたんだろうね。
 
ある意味重い題材なんだけど、実在の人物であるが故、
野田さんの芝居にしては解りやすかった。
 
井上真央が、生みの母、育ての母、嫌な継母役だったけど、
可愛い~。
そして、けっこううまい、ちゃんとはじけてた。
コミカルなセリフを、オーバーに演じて、笑える役者と、
ただ一所懸命にオーバーにしているようにしか見えない役者とあるんだけど、
違いはなんなのかなあ。
池田成志がめっちゃくちゃ面白くて、笑いすぎて涙が出た。
あれはセリフで笑わせているんじゃなくて、演技(というか動き?)だよね。
 
小出恵介に至っては、通訳役でほとんど見せ場はない、って感じ。
まあそれほどうまい役者じゃないから(それでもかなり成長してるけど)
とりあえずいるだけでいいのかな(笑)
 
見ごたえもあり、楽しくもあり、考えさせられる部分もあり、
なかなかいい舞台でした。
マチネだったんだけど、これを6時からまた演るの?って、
ちょっと役者さんの体力に感動してしまいました。