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尚、20歳以下の未成年やこういった話が不快に感じられる方はご遠慮いただきますようよろしくお願いします。
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<一夜目 あらすじ>
<二夜目 あらすじ>
平手打ちで、空気を一変させた美鈴さん。
すかさず、ジュンコを抱きしめ髪をなぜています。
母親に抱かれた少女のようです。
「逃げとったらあかんな。今から向き合うっていこな」
慈愛に満ちた声。
美鈴さん担当のお客さんは、畳の上で毛布に包まれていました。
「いつの間に・・・。神業や」と感心していると
美鈴さんは、ジュンコの手をとり立ち上がらせます。
「さあ、移動しような。こっちおいで」
私のほうに振り返ると、子声で
「むずかしい案件やから、私にまかして」
「ナルちゃんは、ウチのフォローお願い」
「はい・・」
ウインクすると、拷問部屋へジュンコを連れていきました。
私は、失敗したくやしさと平手の迫力で
足がワナワナして、しばらくは動けませんでした。
なんとか、私がひそかに呼んでいる拷問部屋の入り口に立ちます。
中では、美鈴さんとジュンコが向かいあって座り語り合っているようです。
美鈴さんは、手招きをして私を呼び寄せました。
傍に座ります。
「それで、演劇部の先輩の所へ行ったんやね?」
「うん、憧れてたし大好きやったんです」
美鈴さんは、ジュンコの横に座りなおし
背中をポンポンと赤ちゃんをあやすように、手で叩きはじめました。
「先輩、一人暮らしと聞いてたんですけど、教えてもうた家が結構大きくて・・」
「中へ通されて、客間のソファでふたりでいろいろ話してました」
「すごく、幸せやった・・」
「うんうん、そうなんね」
「そして、先輩が口を合わせようとしてきて私も応じようとしたん」
床を見ながら、ポツポツとしゃべるジュンコ。
「そ・そしたら・・物音がして・・男らが・・」
「・・これ以上言えません」
ジュンコは、両方の手のこぶしを握り締めています。
すくっと立ち上がった美鈴さんは一言。
「縛ろか」
「ナルちゃん、あんた綺麗に縛れるか?」
私は、首を横に振りました。
「わかった。私が縛るわ。脱がすのを手伝って」
「は・はい」
ジュンコを立たせると、手際よく服を脱がせていきます。
「縄っ」
美鈴さんがさっと手を出すと、荒縄を渡しました。
二つ折りにした縄の先に輪を作ると、ジュンコの首にかける。
距離を測りながら、縄を結び、コブを作っていきます。
手際よく縄を絡めていくと
亀の甲羅に似た縄の線が、ジュンコの身体に食い込みました。
後ろ手に、別の縄を通すと梁に渡し、グイグイと引っ張りあげました。
ジュンコは、痛いのか窮屈なのか身体をよじって口は真一文字です。
「ナルちゃん、全身を映す鏡ある?」
「持ってきます」
部屋の隅に立てかけてあった、姿見の鏡を運びました。
「この子に正面に置いて、持ってたっててや。全身見えるように」
ジュンコのくびれのある、均整のとれた身体に、美しく食い込む荒縄。
綺麗に縛り上げると、こんなに美しいものなのか。私は目をみはりました。
「あんた、この姿見てみぃ」
「いやっ」
首を激しく振るジュンコ。
「ええか? 逃げんと正面から向きあわなかんのん」
「解いて、はやく」
とジュンコは身体をよじるけれど、なんとなく敏感になっている様子。
「それで? 男たちはあんたをいたぶりだしたんやな?」
「いやっ、怖い怖い・・」
美鈴さんは、ジュンコに近づくと臀部を手の平で
ビシッと叩いた。
「あっ」
痛みとも、恍惚とも見える表情をするジュンコ。
「いろんな手が・・ウチに・・」
「逃げたらあかんで、勇気をだしっ」
「ウチの身体に・・たく・・さんの・・男が・・」
「怖かったやろ、悔しかったやろ」
髪をなぜながら、美鈴さんも目を濡らしはじめた。
「すべ・・てが、終わって、別の人間になってもうた」
「心を閉ざしてもうたんやね」
「うん、やけど・・ウチ、舞台に立ちたかったし、光を浴びたかった・・」
「よう、前をむいたな」
頭を下げていたジュンコが、パッと顔あげて
「あんなに、怖くて悔しくて最悪な目にあったのに・・」
「あったのに?」
「か・からだ・・が・・」
ピシッ、ふたたび臀部へ手が奔ります。
「ああっ、身体が、身体が求めてまう」
「刺激を求めてまうんやな?」
ビシッ。
「あはっ。んぐ・・そう、舞台に立ったときと同じなん」
「心と身体が互い違いになって、葛藤やね?」
「そ・そう。嫌いやねん。この身体っ」
髪をなぜながら、美鈴さんもぽつりと言った。
「ウチもな、そうやったん・・」
「あんたの、葛藤よーわかる」
「でもな・・逃げてたらあかんのん。受け入れなあかん・・」
美鈴さんが、私を見ると
「この子を愛撫してあげて」
「えっ?」
何をいうんだろう? 美鈴さん。
「はよー」
しかたなく、胸の先の神経の塊を指先で触りました。
「あああっ」
ジュンコは身体をそらせます。
私は、舌先でころがせていきます。
「き・もちいい」
快感を身体でたしかめるようにジュンコが動く。
そのたびに、荒縄がきしむ。
「今のあんたの心で、その時を受け止めてみ」
「そして、身体を許してあげるんや」
「ん。うん」
ほら、といいながら容赦なく臀部への刺激が続く。
「心配ないで、認めたからといって、あんたはあんた」
「受け止めて、認めて、呪縛から抜け出しなさい」
「あああっ。あっ。ええんよね? それで」
「そう、そうよ」
私は、むき出しになった桃の溝に指をさしいれ
九の字にすると
ざらついた中を、さぐるように出し入れをしました。
ジュ、ビチャ。ジュル。
私の指は、いつしか獣の蜜で満たされてきました。
「あうっ」
ジュンコが、一瞬、かたまったと思うと身体の力が抜けました。
ジョー、ジョロジョロ。
桃の溝から、黄金の虹が架かり床を濡らしました。
ビクン、ビクン。
身体を痙攣させるジュンコ。
同じように、美鈴さんも全身を痙攣させていました。
ジュンコの心に一番近い所にいるのが、美鈴さんかもしれない。
そう、思いました。
三夜目 その五 過去 へつづく。
<三夜目 その五 過去>