韓国は大田市(テジョン)の町中で、車窓の向こうにある看板を目にした
キャッチコピーに
【髪は人生のポッ】
と書かれていた
ポッ…?
…
ポォ…
男性用のカツラの看板で、文脈から考えて
ポッは【友だち】を意味する単語だった
僕の頭の中には長い間
友達=チングー
って構図があって、チングー以外の言葉が出てくるなんて聞いてないぜ!
なんて感じだった
車に同乗していた韓国人の友人は
僕がポッポッ繰り返す様子が面白かったのか笑い出し
何?あの看板そんなに気に入ったのか?
なんて冗談めかして聞くから、そいつの言葉に食ってかかるようにして僕は言った
ポッって友達って意味なのか?
そいつは少し驚いた顔をして言った
え…お前今まで知らんかったのか?
そいつの他にも僕は、幼少の頃から
長い間、日本暮らし韓国の友達が多い
日常的な会話なら多少、聞き取るには自信があった
知らんかった…
正直に告白すると、そいつは笑いながら
そうだな、チングーより少しカッコつけたい時、
お前が好きな詩の中に使うような言葉かもな
なんて教えてくれた
僕は韓国語はこれだから難しいよな
なんて言いながら座席に深く腰を沈める
そいつはそれを聞き逃さなかった
車のスピードは変わらない、
そんな穏やかな空気の中で彼は言った
日本語だって充分難しいよ
僕は、前を行く車からまたそいつに目を移し
え~、例えば?
なんて聞き返した
そいつは、反応を確認するとニコニコしながら
答える
うーん…例えばな…
続く
BUMP OF CHICKEN - 花の名