ストロングスタイル③②‐序 …7音色 五色目 『藍』 | ひとつ前のかどはさよならサヨナラ


時計を右腕にする事に深い意味はないわよ

女の先輩は笑いながら答えた

今の会社に入った当初からよくアドバイスをもらう女の先輩と打ち合わせを兼ねて昼食を共にした時の事だった

この先輩バリバリ仕事をこなす姿は
男の僕が言うのもおかしいけど、清々しいくらいかっこよかった

ただ、女性的な柔らかさと言うかそう言った類いの隙がなくて
周りからは取っつきにくい事で有名な人だった

その日も
久しぶりに顔を合わせ
髪型が変わっていた事に僕が気づき

あれ髪型変えたんですね

なんて、挨拶に添えたんだ

そしたら、真顔で
最近の女性はそれくらいの言葉じゃ喜ばないわよ~なんて
言われてしまった

僕は苦笑いしながら先輩の横顔を眺め
打ち合わせに入った
話は進むにつれて、
あれっ?って
僕は別の事に気がついた

先輩は右利きなのに右腕に腕時計を巻いている

僕の目線に先輩は気付いたのか、
これ?なんて時計を見ながら微笑んだ

ただの昔からの癖なの
右利きだけどね
だから、理由を時々聞かれても上手く答えられないの
なんて話をしてくれた

ただ、この答えられない質問に先輩以外の人が答ええてくれた事があったんだという

【俺の真似してんだんよね】

と、当時先輩が付き合っていた左利きの彼氏さんが答えてくれたらしい

彼氏さんもそこに居合わせた人も
本当にそう思いこんでるみたいだったけど
先輩は否定しなかったらしい

その事がきっかけで
それからは右腕に時計をしている事を聞かれたら

【彼の真似】

と答えてきたと話し、説明する先輩は最後は凄く穏やかで
素敵な笑顔をみせてくれていた

普段の姿とは別にそんな一面が先輩にある事をしって
なんだか僕は凄く嬉しかったんだ

当時のその彼氏さんは、今は先輩の旦那さんになっている


LALALA -feat 若旦那 加藤ミリヤ