ストロングスタイル③①-12 | ひとつ前のかどはさよならサヨナラ
『病気』って何だろう…
坊さんの所から病院に直接来たけど
病室に彼女はいなかった

診療中かな…

そう思いながら、ベッドの布団をたたみ直す
不思議な感覚だった
人の布団をたたむ

時計は時を刻む
チクタクチクタク…チクタクチクタクが妙に早く聞こえる

この部屋でいつも一人で
過ごしているのか…
部屋を見渡す

僕が来るといえば
この部屋で待っていてくれているのか…

彼女の書きかけの絵を手でなぞる

どれくらい経っただろう
ふと気付くと寝てしまっていた

彼女はベッドに座り
起きた僕に

よく寝てたね、なんて
微笑みながら言った

でも、声が少し暗い

どした?
僕の問いに

お願い明日から来ないなんて思わないで
と答える

僕は戸惑いながらも
大丈夫だよ、どした?
と、もう一度聞いた

身体にカビがはえた
彼女は一言だけ言ったんだ

僕は、すぐには何も言えなかった

こんなはずじゃなかったなんて
思わせないから

僕はそんな言葉しか出なくて
彼女の手を握った

病気の私、怖い…?

ポツリとつぶやく彼女に
僕は
何も怖くないよ
会えて嬉しい

そう言って、中学生みたいなキスをした

続く