あたってはみますが、期待しないで下さい
と、だけ言い
封書の番地なしの住所を眺めた
教官が、役に立てばと少年院の頃の女の子の写真を見せてきた
スッピンの顔は哀しげに笑っている
それを見て
僕自身は普段、どんな顔をしているんだろうとふと気になった
『表情』
鏡の前では意識するけど
そうでない時の自分の顔、どんな顔をしているのか…
教官が僕を見ながら聞いてきた
女性を風俗に紹介する時、どんなお気持ちなんですか?
なんだか忘れていた様な疑問…
僕は、胸が一瞬揺さ振られたのが自分でわかる
軽く深呼吸をしてから
あまり何も感じませんよ
と、そっけなく答えた
教官はそうですか…とだけ言った
僕は、最後の手紙を手にとり開いた
冬になります寒い季節です
でも、頑張ってます
手紙また書きます
と最後の方に書いてある
僕は窓の外をチラッと眺めると
暖房の中で感じる事はなかったが
今は、冬の寒さもおさまりつつ
陽の光の表情が、春の存在を感じさせ始めている
そんな移り変わりの景色だった
君はこの街にいるのか?
僕は、もう一度写真の中の女の子を見つめて心の中で呟いた
続く