空港の雑踏の中で
男の子と目があう
目があって空気が止まった時間は短かかった
僕はもう何にも考えなかった
恥ずかしいとかもなかった
思いっきり変な顔をしてやった
男の子は
びびった
顔がハニワみたいな顔になって、逃げていった
僕は、ひとり変な顔をしたまま取り残されて
ありゃ…恐がらせたか?
難しいな…
こういうの
なんて思いながら出発の時間を確認した後だった
目の前に、男の子の他に妹らしき女の子が増え
僕に変な顔していた
僕は思わず笑った
子供達も笑った
笑顔は無敵だ
しんしんとしんしんと
時に静かに、時に激しく
時に悲しく…
積もる雪ように
見渡せばたくさんの瞬間が積もっている
あれは僕の瞬間
これは好きな人の瞬間
かけがいのない友の瞬間
静かに哀しく…
…そして少しのチカラが残ったら
それを優しさに変えて生きていけばいい…
子供達に手を振り僕は日本に帰る
いつだって
大事な時間なんだ
空のカーテンが揺れる時 終
追記
日本に帰った僕には
父と子の再会
そして最後の戦いが待っていた
それはもうちょっと先で…