切り分けられたスイカを皆で食べた
大切な事は、大切な事を分かちあう心なのかもしれない
喜びも悲しみも分かちあう時、何か大事な事に手が触れそうになる気がする
『金と暴力』の怪物は前に言っていた
親と子としてこの世に存在しても
親と子もお互いを
少しずつ
学びとっていかなければ
本当の親子には
なれないのだと…
スイカ…
夏の香りのする
真っ赤なスイカ
怪物の母親の言葉は
時を超えて、孫娘と息子の嫁に贈られた
愛情に対する賛歌だったのかもしれない
連鎖してひらく未来には
身体には
たくさんの喜びや哀しみが詰まっている
分かちあえたなら
どれだけ幸せだろう
僕は、話を楽しむ父娘に一礼し部屋を出た
外はすっかり寒かった
寒いなと手を目の前でこすった時
親指と人差し指に
ささくれが出来ていた
僕にも父親と母親がいる事を思い出した
少し眺め
連絡してみようか悩んだ
でも、なんて話始めたらいいかわからないうちに
一度、手に吹き掛けるように息をはいた後
まだ…いいや…
なんて言いながらポケットに両手を突っ込んだ
そして、また夕暮れの闇に歩いて行った
怪物を泣かせた少女 編
終わり