パラレルワールドに居るみたい。

例えばあの、27歳の時
実は出産なんかしてなくて
赤ちゃんなんて産んでなくて
あんなに悩んだ日も
あんなに迷った日も
全部、実は嘘で
手を繋いで延々と歩いたあの夜も
可愛かったあのバッグを持つ手も
前籠に乗せたあの自転車も
カモメをカゴメといって笑ったあの日も
治らなかった夜泣きのあの日も
お風呂で話したあの日々も
朝から焼きたてのパンを出したあの日も
素敵な創作をしていたあの愛らしい顔も
全て全て、夢だったかのような
そもそも私は
ずっと独りだったかのような
長い夢をみていたような
そんな気分で
優しく、柔らかく
死に向かっているような
そんな毎日。