Hさんは、よく喋るという方ではありませんでした。

でも、無口という程でもなく、

会話の分量やペースとしては、そう苦痛にならないものでした。


緊張している私に気づかって

色々と話題を提供してくれていますし、

友人だけではなく、私にも

珍しいお土産をわざわざ並んでまで用意してくれていました。

料理から飲み物から、私の好みやペースに合わせてくれていました。


友人から「良い人だよ。」ということは聞いていましたが、

「ああ。なるほど。この人は良い人だ。」というのは

会ってみてわかりました。


たぶん、こういう「良い人」は、

先入観なしにまず会ってみないとその良さが伝わらないんだろうな。

なんてことを思いました。


なぜなら、私も話を聞いただけの段階だったら、


会うのを断ろうかと思っていたくらいですから。


とはいえ、「人柄が良い人」というのと、

「(お付き合いの対象として)良い(=適格な)人」は、別物です。

これには困ってしまいました。

正直、お付き合いというのは考えにくいのです。


隣りでそんなことを考えていると知ってか知らずか

Hさんに招待券が余っているので良かったら一緒に見に行かないかと

とあるイベントに誘われました。


それは、いつか一度行ってみたいなぁというもので、

私としては断る理由は特に見当たりません。


ただ、私よりもっとそのイベントに参加したい人がいるかもしれないし、

本当は別の人を誘いたかったのかもしれないし。

そう考えて少し躊躇しました。


そう思ってHさんに尋ねてみても、

本当に余らせちゃう予定だったので

一緒に行ってもらった方が助かるといわれてしまい、

「では、お言葉に甘えて参加させてもらいます。」

と答えていました。


「これでもし実は招待券でもなんでもなくて、

私を誘うためにチケットを用意させたとしたら申し訳ないなぁ。」

と自意識過剰にも思いましたが、

そんなことは全くなく(笑)

本当に招待券が当選していたようです。

それがちゃんとわかった時は、ちょっとほっとしました。


そして、そのイベントに一緒に参加することになったため、

今後、チケットの受け渡し方法や当日の待ち合わせなど

話すことや決めることが沢山出てきてしまいました。


気づけば「連絡先を交換しない。」という選択肢は消えていました。