「藍はここに来たかったんでしょ。付き合うよ。時間はあるし。」


「昨日だって遅かったんだから、疲れてるんじゃないの?」

「平気だよ。(※眠そうにあくびをしながら)

それに、ここ結構広いし、

一本道間違えるとかなり遠回りになっちゃうんだ。」

そういって、Sさんはずんずん中へと進んで行ってしまいました。


「う~ん。いいのかな。……いいのかな?

まぁ、じゃあ、お言葉に甘えよっかな。

ふふふ。ここ前からずっと来てみたかったんだ♪」


そうしてのんびり歩いていくうちに、

心なしか友人モードが若干薄れてきたような気がします。

「いい場所だね。のんびりして、リラックスできるというか、癒される。」

「でしょ?ここ、俺も好きなんだよね。」

「そう言ってたよね。

だから、いつか行ってみたいなって思ってたんだ。」 

「どこまで行く?もう少し先に、前言ってた場所があるけれど。」

「じゃあ、××まで行きたい。」

「わかった。」


その後、Sさん家に立ち寄り、ギターを触らせてもらい

お互いの小さい頃の遊び方から、後輩指導のスタンスなんて

様々な話をして、沢山声出して笑って

恋愛どうこうとか関係なく、単純に楽しかったです。


楽しい時間はあっという間で、

帰らなければならない時間がやってきました。


次の日の予定は既に埋まっていたので

当然休むわけにはいかなかったのですが、

有給つかって休みたい!と本気で思いました。


もちろん、そんなわけにはいかないので

駅まで送ってもらって地元に帰ってきました。


駅まで送ってくれたのは、

私が方向音痴だからと、駅のロッカーに荷物を預けた際に

彼の荷物(私が渡した紙袋)も一緒に預けたからでした。


私の荷物は持ち歩くには重かったので預けるにしても、

Sさんの荷物は、全然重たくないもので

持ち歩いて疲れるようなものではありませんでした。

手ぶら派だからちょっとの荷物も嫌だったのかもしれませんが、

私にはそれがちょっと不思議だったんですよね。


駅のロッカーにSさんの荷物まで預けてしまったら

否応なく駅まで来ないといけないのに……と。

この段階で、私を目的地に案内した後、

駅まで見送りに来てくれるつもりがあったのかもしれませんね。