東京湾口航路整備で旧運輸省が着工して六年目の
中ノ瀬航路浚渫工事に浦賀水道航路第三海堡撤去工事
中ノ瀬航路は本牧沖の浅瀬“中ノ瀬”の東側に設けられた
北向き一方通行の航路で、区画内に浅瀬があり喫水十七m
以上の大型船は中ノ瀬西側ルートを迂回。
この海域で南向き船舶と混在することとなる。
浦賀水道航路第三海堡は、旧陸軍が海上要塞として築造。
関東大地震により沈下、以後暗礁化している。
両航路とも78年に、船舶交通路を確保するために整備を
図る“開発保全航路”に指定!
工事の着工に意欲的に活動し、念願の工事着工となった。
近海で操業する漁協など約40団体と交渉を続け、東京・
神奈川・千葉にそれぞれ設置された代表機関との間で
■工期中の漁業活動の制約
■工期中の濁りなどの海域環境の変化
■将来の地形改変
以上の点などについて漁業補償交渉がまとまったのである。
しかし唯一補償に入れない人達もいるのが現状だ
漁業補償の対象にならない“游漁船”
浚渫で航路が広がれば、その分は航路になり操業禁止
魚が獲れるか獲れないかなど関係ない処置となる
中ノ瀬航路浚渫、浦賀航路第三海堡撤去で
游漁船組合の【海上デモ】があった事を覚えている人はいる
だろうか・・・。
つり船は漁業者じゃない←と、いうことらしい。
同じ東京湾で仕事をしているのに可笑しな話だ・・・。
そもそも『漁業補償って美味しいよね』と、
言う人も結構いますが、高くはありません。
一人あたりの漁師さんにしたら数十万円なんてザラです。
そりゃあお金の欲しい組合さんも中にはいますが、
そこは官庁、お金は渋いのです。
そこで漁業補償というものがどういう形で纏まりを成すか?
またひとつの例で書いてみましょう・・・。
この中ノ瀬・浦賀水道の漁業補償ですが
まず最初に補償金の予算が国から提示され、勿論役所にしたら
高いとの評価であり、組合は安いという評価で話は纏まりません
そこで登場するのが施工業者です
組合から要望書を出させ、それを検討し役所へ別注工事の発注
を促す、組合は大体が漁場の再生などの要望なので、役所は
「なぁんだぁぁ、そういうのして欲しいのなら、遣ってあげる!」
ってなことを施工業者へ約束し工事を発注、そして漁組へは
「漁場再生、無料で漁組の為にしますね」
と、施工業者が言って
「だから工事開始の印を押してよ」
「じゃあ、判りました。押します」ってな具合です。
必ず中間に施工業者が入り仲良くするってことが大事であり
そのことが工事発注後の審査の項目としてある位です。
“地元と・・・・・・・”
まあ、何か作るから!と、本当によく“この手”を使いますが
この港湾整備の旨い話が有効だった・・・ってこと? ある?
そう↑この漁場が成功した話って聞いたことがありません。
更に、羽田空港拡張の一期工事での漁業補償のひとつ
多摩川河口の漁場は、再度その施工業者に壊される運命です。
http://luuchi.blog.shinobi.jp/Entry/16/
※先日の水産庁の試算によると、養殖を含む魚介類の国内漁獲生
産量が2017年に470万トンと、1950年代後半以来60年ぶりに500万
トンを割り込む見通しであることが明らかになった。
<ピークの1984年(1206万トン)の半分以下の水準>
しかし同じ日、『交渉は羽田空港と上海・虹橋空港を結ぶシャト
ル便の実現が最大の焦点』と、訪中の国交相が発言 ↑
来年早々にも日中航空交渉を再開することに合意 。
稚魚の成育って、そんなに簡単なのでしょうか?
この第三海堡も特に、スズキ・太刀魚の産卵地でした。
いまはもう影も形もありません
施工業者の言う漁業補償の“落としどころ”って
私には“陥(おとしい)れどころ”に聞こえ・・・ますが・・・。
そしてもう1つの落としどころは・・・
『警戒船』『監視船』
これは↑結構美味しいです!
東京湾口航路の工事2本で常時就いている船は
中ノ瀬で多いときは10船舶
第三海堡で6、7船舶
二十四時間警戒船というのが工事航路に、二隻はいます。
ある例ですが、昼間工事稼動日二十四時間警戒船二隻
工事警戒船(監視船)三隻、十二時間警戒船一隻
採水船(工事現場の汚濁調査)一隻
と、いうような感じです。
一日の請負金額の例ですが、
■二十四時間警戒船二隻と十二時間警戒船一隻で150万
※この船は東京海難防止協会の息の掛かった会社の仕切り船
タグボートであり、一般に殆ど漁組が請け負うことはない。
これは保安部の天下り先に多いに関係していて、この仕組み
を守らなければ該当工事の海での工事許可を降ろさない!
こともある
いやはや・・・天下りは本当に面白い制度なのです
■工事警戒船(監視船)三隻
警戒船(監視船)は2人工で、9万1千円×3
■採水船(工事現場の汚濁調査)一隻は1人工で、8万1千円
※この↑採水船の一日の請負金は今年からであり、
去年までは、7万1千円。
今年1万円の値上げの理由は、東京湾口航路事務所長によれば
『中ノ瀬航路浚渫の北端部浚渫の許可料』
・・・らしい・・・東京湾口航路事務所の補償担当が組合へ
そう話すと言っていたから間違いはないのだが、こんな金額で
中ノ瀬の北端部の浚渫を許可?って・ホンと施工業者さん?
うーん、施工業者は『えっ?マサカ?』『ええ、所長が言った』
『湾口航路の所長だけ、そう思い込んでいる』などど次々に
話が出で来ていたので、ただの所長の強引な勘違いなのかとも、
今年の春先に思ったものだ
もうひとつ、施工業者が腑に落ちないと言ったのは値上げの分
の予算・・・←ややこしくなるので(汗)これはまた後ほど
こういう具合に警戒船(監視船)の請負金が工事稼働日は毎日収入
になるので、それはそれで漁師さんは助かるとは考えられるが、
長い目でみたら海のためには疑問なのだ。しかし生活もある。
漁港の整備や防波堤の整備、漁場の整備、諸々をして貰っても
実のところ私には漁師さんにとって工事の開始がマイナスに見える
大水深への土砂投入も、トレミー船のトレミーの長さは23m
それ以上長いものが汚濁防止には必要なのだが、
『現実的に、23mのトレミーを50mにすると、2年間で27万
㎥であれば、とても採算がとれない。』と、施工業者は言い
『投入時、トレミー排出口から海底まで落下する間の濁りより、
海底に落ちてから巻き上げる海底の表面土砂の濁りのほうが大きい
のではないか。』と、施工検討業者は言う
上記は東京湾仕切り会社、横浜支店会議室での出来事らしいが
汚濁を完全に防止は無理と判断、しかも今以上の汚濁防止措置に
時間を取られれば有期工期(平成19年12月)に間に合わない!
との結論で役所へ報告してきた次第だ・・・。湾口航路事務所も
工期延長には反対であり、来年度は京浜港湾の横須賀事務所へと
移転になり、そこで生き延びる(存続)為には、この浚渫工事を工期
までに終わらせて、さっさと第二海堡プロジェクト工事へと着工
したいのである。護岸工事にテロ対策SOLAS条約のレーダー
設置・・・と、これからの第二海堡絡みの工事発注は目白押しで
ある。東京湾口事務所存続(職員存続)に第二海堡での情報監視
システムの確立を目指す!!ってとこです。
しかし、そんな思惑とは裏腹に東京湾へは今現在も相変わらず
浚渫の土砂投入は丈の足りないトレミー管にて海底へと投入され
続けているのである。
この先、第二海堡は今までの管轄の海上保安庁から
国土交通省へと移管される予定でいます。
※灯台を巡っての移管となりそうですが
そうなると益々工事発注に意欲を増すのでしょうね
このトレミー管、実は当時、役人が↓現職時代考案 !
(※例の東亜へ即日出向した元千葉港湾工事事務所 所長)
http://luuchi.blog.shinobi.jp/Entry/6/
中ノ瀬浚渫に関わっており、青木21にも関連がある
それが、二重管トレミー工法
原理は上から土砂を入れると下に浮圧が掛かり土砂が舞い上が
り、二重の管でまた土砂を上へ引き寄せ水が濁るのを防ぐ・・
と、言うが、下部に隙間があり、土砂がそのまま逃げるので
あまり効力を発揮しないものなのだ
しかし、逆にこの原理だと隙間がなければ土砂が下に落ちない
そして、実際に海底までの丈が足りない!ってことは、
元々の汚濁の状態が何の解決にもなってない
※余談ですが、この工事の施工業者担当部長で湾口航路工事
に優位な方は、竣工検査の検査項目の綴り書などもコピーし
撒くってお持ち帰りになりますが、それを天下り先の色々な
セクションにまで配ってしまって、役所でそのものを目撃し
たときは目が点になり首が自然と傾きました
汚濁と言えば、今年1月猿島地先への土砂投入で
湾口航路事務所長から、説明を受けたのは
1・濁り対策ありの場合は-5mの辺りまで投入可
2・濁り対策なしの場合は-3.5m辺りまで投入可
そして、決定事項は
1・濁り対策なしで投入
2・投入に当たっては、濁り対策はいらないが極力濁らない
ようにグラブで丁寧に投入する
3・投入場所は、予め漁組の方で、岸沿いに決めてある所へ
玉ブイを入れるので、その範囲内で、岸に寄れるだけ寄った
位置で投入を行う。50cm厚の話は、なし。
(山が連なったような感じで投入すれば良い)
・・・・って、考えずらい
東京湾口航路事務所長の仰る漁業補償の“落としどころ”って
私には益々“陥(おとしい)れどころ”に聞こえます