アイツとはもう30年来の付き合いだ
とてつもなく仲が良いわけでもないが
ただお互い
一般的に見ると鬼畜の所業を繰り返すが
世の中にうまく溶け込んでいて
好意的に見られる事が多い
そこが似ているからかもしれない
そんなアイツに言われた言葉で
その時は納得できなかったけど
今は理解できる言葉がある
それはただのトリガーで
あなたはその不倫相手の事がなくても
きっと離婚してたよ
当時の私は
少し年下の不倫相手との恋に溺れ
その結果不倫相手が狂気に満ちてしまい
それを究極の愛だと勘違いして
結果離婚を選んだ
だからその不倫相手がいなければ
離婚をしてなかったはずだ と
そう思ってた
でも そうだよ
その不倫相手がいなくても
きっと別の不倫相手がいたり
それだけじゃなくて
死ぬまで誰にも言えないような事を
してたんだから
どうあったって私は離婚してたんだ
元夫に私は不釣り合いだもの
びっくりするほど真っ直ぐで
どこか抜けてて
誰からも慕われて
才能に溢れた天才
元夫の遺伝子をこの世に残せた事
それを考えると
私は持ってるな と
今はそう思ってる
先週元夫と他愛無い世間話をしながら
ずっとこの人と生きていられたら
きっと別の人生だったんだろうなぁと
でも
そうできなかったから
今ここにいるんだなと また改めて思う
取り返しのつかない傷をつけ
七転八倒をしたであろう
元夫も子供も両親にも
もう何を返すこともできない
時間は絶対に戻らないから
だけど
何も出来ないからといって
下向いて卑下して生きて
なんになる
数十年たって
今はそう思っている
関わった人たちの運命は
ちっぽけな私のことなど
意に介さず
新しい道を進んでいる
だから私は 悪党のまま
今日も笑って過ごすんだ