青年団全国2本立て公演『北限の猿』(作・演出:平田オリザ/こまばアゴラ劇場)

今日の1本目、『カガクするココロ』の10年後の同じ研究室。
同名の人物も登場しますが、役者は全員違う人がやっていて(共通の役者も違う役での出演)、そのつながりをあえて断ち切っています。平田オリザの考えるロボット演劇の姿勢を象徴することかなと思いました。

平田さんもフライヤーに書いていましたが、結局何年経っても人間って本質的に変わらないもので、20年前の芝居を観て「ああ、確かにこんな人いるいる」と思えるんです。それは作家の人間観察の鋭さも表しているとは思いますが。

猿も快楽目的でセックスをする、ということが言及されるのですが、その部分で僕が感じるのは、「人間と他の動物との違い」とかを考えることの傲慢さについてです。「他の動物」ってひとくくりにして「俺たちとは違う」と考える、というのはね……。そのことはなぜか小学生の頃に疑問に思っていて変な子扱いされたことを思い出しました。

人間ってそんなに偉いんか、っていうある意味陳腐とも取れるようなことですが、逃げてはいけないことでもあるようにも思います。


あと、根本的に、研究室にいるたくさんの人間たちの同時進行的な関係が面白いです。それが多分平田オリザの魅力なんだと思います。

-memo
「許す、許される」の関係、というのは、猿だけじゃなくて人間の話でもある。というか、「この中に猿から進化させられた人間がいる」というのが、冗談でなく実際的な話だと思った。

最後の飛ぶ飛ばないのシーンはどういうことだったのか、いまはまだ分からない。