青年団全国2本立て公演『カガクするココロ』(作・演出:平田オリザ/こまばアゴラ劇場)
2本立ての一本目。猿を人工的に進化させて人間(に近いもの)にしようというプロジェクトが行われている研究室の、談話室のようなところが舞台になっています。
研究室には院生も学部生も、事務員さんもOBのMRも入り乱れているのですが、そのある種の混沌のなかにあるのは動物と植物に対する人間の態度の差についての作家の問題意識です。生き物、という言葉に植物が感覚的に含まれているかとか、遺伝子組み換えに対する抵抗感のような。
「植物には、倫理とか、そういうのないもんね」
という台詞があからさまにありました。
20年も前の作品なので、問題自体に新しさはありませんが、今でも忘れてしまってはいけない問題ではありました。
個人的に、それより面白かったのが客入れの際(開演前)にも芝居が続けられていたこと。普段芝居を観るとき、「ただいまから開演します」とかいう声がかかって、場合によっては暗転したり音楽が止まったりして、「今からはじまるぞ」という気分の中で始まります。
でも、開演から終演というある時間の中で切り取られたものだけでなく、実際はその背後にも時間はきっちり流れている、ということを示そうとしたのかなと思いました。
今回は特に時間軸が前後したり、暗転したりせず、劇中の90分そのままの時間が流れていたからかもしれません。
2本立ての一本目。猿を人工的に進化させて人間(に近いもの)にしようというプロジェクトが行われている研究室の、談話室のようなところが舞台になっています。
研究室には院生も学部生も、事務員さんもOBのMRも入り乱れているのですが、そのある種の混沌のなかにあるのは動物と植物に対する人間の態度の差についての作家の問題意識です。生き物、という言葉に植物が感覚的に含まれているかとか、遺伝子組み換えに対する抵抗感のような。
「植物には、倫理とか、そういうのないもんね」
という台詞があからさまにありました。
20年も前の作品なので、問題自体に新しさはありませんが、今でも忘れてしまってはいけない問題ではありました。
個人的に、それより面白かったのが客入れの際(開演前)にも芝居が続けられていたこと。普段芝居を観るとき、「ただいまから開演します」とかいう声がかかって、場合によっては暗転したり音楽が止まったりして、「今からはじまるぞ」という気分の中で始まります。
でも、開演から終演というある時間の中で切り取られたものだけでなく、実際はその背後にも時間はきっちり流れている、ということを示そうとしたのかなと思いました。
今回は特に時間軸が前後したり、暗転したりせず、劇中の90分そのままの時間が流れていたからかもしれません。