都市空間のなかの文学 (ちくま学芸文庫)/前田 愛

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結構分厚いです。国文学系の人の間では教科書に近い扱いのような。

いっけん難しいのかと思って構えましたが、読んでみたら簡明な文章で書いてあります。

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タイトルの「都市空間のなかの文学」は、もうひとつの含みとして「文学のなかの都市空間」を潜在させている。テクストとしての年から切りだされたメタテクストとして文学作品を想定した場合どのような解説が可能か、あるいは文学作品のなかに描かれた都市とは何か、私の問いかけはこの二つの極のあわいを揺れうごいてきたように思う。
(あとがき)
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というあとがきの前田の言葉がこの本のテーマというか、エッセンスを含んでいます。基本的に僕らは日ごろ前田の言う「テクスト内記号論」(語りの構造とか物語の機能を分析する)で作品を読んでいるように思うので、そういう意味ではちょっと新鮮な感じがしました。

卒論とは全然関係ないんだけど、卒論を終えるまでになんとなく読んでおきたかったので。