みなさんこんにちは。

なんかもう、普通に日常生活をしていると、数日前までお正月だったことなど忘れてしまいますね。

昨日のニュースで野田聖子さんが無事に出産されたとありました。おめでとうございます!
妊娠としては超高齢なためハイリスクだの何だの言われておられましたが、予定日より1ヶ月程早いという(軽い)早産となったということですね。でも母児ともに無事で何よりです。

こないだ、9ヶ月で早産となったお母さんとしゃべっていたのですが、

「9ヶ月に入ってから今のうちにと思って○ズニーランド(※某巨大テーマパーク)に行ったのですが、その後一週間で生まれちゃいました」

とのこと。
うーん、○ズニーランドに行ったことと早産の因果関係は全く明らかではありませんが。

なんでそんなお腹が大きくなってから○ズニーランドに行きたいと思うかな?

実は多いのです。そういう妊婦さん。
こないだも妊婦健診で9ヶ月の妊婦さんたちが立て続いて、

「産んじゃったら行けないので、今のうちに最後に○ズニーランドに行きたいのですがいいですか?」

と。

私自身がお出かけ大好き人間なので、妊婦さんからどこそこに出かけたいという相談を受けると、なるべく行かせてあげたいと思って対応しています。(もちろん自己責任が前提ですが、ドクターによってはそれすらも禁止する人もいますから)

でも、巨大テーマパークというものは、

うろうろ歩き回る以外に楽しむ方法がほとんど皆無

じゃないですか。

なんで温泉でごろごろにしてくれないかなあ。

去年の新生児・周産期学会で、○ズニーランド近傍の某病院から、

巨大テーマパークからの母体搬送の実際

というテーマの発表がありました。(題名は定かではありません)

数の多さにもびっくりしましたが、全国津々浦々から来ていること、テーマパーク内で常位胎盤早期剥離を起こしてそのまま緊急帝王切開になった症例もあり、その病院の先生たちの「いいかげんにしてくれ」という心の叫びが伝わって来ました。

なので、私が「○ズニーランドに行ってもいいよ」と許可した妊婦さんがその病院のお世話になったりしたら、なんか申し訳ないという気持ちがその発表を見てから心のどこかにあるのは事実。

でも、みんなそんなに○ズニーランドに行きたいんですかねえ。

いや、私も嫌いじゃありませんよ。5回くらいは行ったことあるし。
古い映画とか全部何回も見てるから曲もキャラも熟知しています。

でも、体調が万全でないときにわざわざ行こうとは思わないので危険を冒してまで行きたい気持ちが分からない・・

まあ、危険だと思っていないのでしょうが。

パレードの時、車椅子に載ったお腹の大きな妊婦さんとその同行者が、最前列におられるのを見ると、何となく釈然としない私です。だって、みんな一生懸命場所取りしてるんだものね。
(もちろん、他の公共の場では優先されるべきだし気遣われるべき存在であると思っていますよ!)

まあ「妊娠7か月までサーフィンしてました!全然大丈夫でしたよ」と私たち産婦人科医に「教えて」くれるつわものもいらっしゃいますが・・

妊娠したからって楽しいことをすべて我慢する必要はないと思います。

でも、赤ちゃんはお母さんの子宮の中にいて、運命はすべてお母さんに任せています。
巨大テーマパークに行くのは妊娠5ヶ月くらいにしといてほしいなあ。