飛行場の片隅にある蒸し暑い小屋の中で部下と明日の攻撃(特攻)のための航法計画をしていた。

 

途中から自分たちを誘導する二式大艇と合流するので、会合法で大艇との会合進路を航空図に作図

 

その後、大艇が誘導してくれるらしいのだが、一緒に行ってくれるのは敵の哨戒圏に入る喜界島手前までで、その後は引き返すらしい。

 

そこから敵の機動部隊まで同じく会合法で作図する。

 

「俺たちは喜界島を右手に見ながら真っ直ぐこの針度で飛ぶ。レーダーにひっかからないよう高度はゼロだ。それでも、おそらく敵は俺たちが来るのを前もって知っていて既に待ち構えているだろうから。だから多分この辺りで戦闘機が降ってくる。来るとしたら太陽を背にして急降下でやってくる。太陽を直接見るな。拳で太陽を隠して見ろ。常に見張りを厳重にな。

いいか、敵が来たら絶対に真っ直ぐ飛ぶな。3秒以上真っ直ぐ飛んだら死ぬぞ。後ろに付かれたら右に左に滑らせろ。

こうだ。(操縦桿とラダーの操作を見せながら)

何機来ようが撃ってくるのは1機だ。順番で入れ替わり立ち替わり来るから。海面スレスレを這いながら右に左に滑らせろ。

敵艦に近づいたら、奴らはもう追ってこない。敵の艦砲射撃の巻き添えになるからだ。だが、絶対に高度は上げるなよ。上げたら必ず墜とされるから。海面スレスレを這いながら正面にいる狙いやすい奴を狙え。

なるべく大きいのをなどと欲張るなよ!墜とされるぞ。」

 

と部下に事前注意をしていた。

 

そこへ隣の爆撃隊の指揮官がやって来た。

 

隣の爆撃隊は特攻隊ではなく、夜間攻撃が主な任務の部隊だった。

 

「明日、行きますんで。後を頼みます。」と指揮官に言うと、

 

「そうか…行くのか…」

 

自分たちの乗る零戦を指さして、「見てください。豪華な棺桶ですよ。死ぬのは私たちで最後でいいです。後を頼みます。」

 

「君たちは生還率0パーセントだが、俺たちも1パーセントだからなあ。」

 

「そうですね。では、先に向こうへ行って待ってますから!」

 

と言ったところで携帯の目覚ましが鳴って起きてしまった。

 

なんで、こんな夢を見たのだろう?