僕は2台のオートバイを所有しているのですが、そのうちの1台であるCT110

 

「シーティーひゃくとう」と読みます。

 

通称「ハンターカブ」と呼ばれるマシーンですが、ここのところ、冬場でもないのにエンジンのかかりが悪く、かかってもすぐ止まってしまったり、走行中にスロットルを捻っても思うように回転が上がらず、挙句の果てにはエンジンが停止してしまい、道の端に寄せて何度キック始動してもエンジンがかからないという不具合に見舞われました。

 

長い事、乗っていなかったのでキャブレターが怪しいと思い、分解&洗浄。

 

キャ~ブレタ~ from カナダ♪

 

なんちゃって・・・

 

エレメントなども交換

 

ようやく治療が終わったハンターがこちら。

 

 

今回いじくったキャブ周り

チョークレバーは縦にするとノーマル(走行時のポジション)

横にするとチョークを引いた状態。

冬場、気温が低く、極端にエンジンが冷えた状態の時に横にしてエンジンをかける。

ただし、エンジンがあったまった状態で横にしていると、燃料が濃すぎてエンジンが停止してしまうので注意。

 

燃料コックは基本的に停車中はOFF

勾配の急な坂道に駐車しておくとガソリン漏れを起こすので。

 

冬になり気温が低くなると、キャブレターを調整をする必要があります。
信号などで停車中、アイドリングが不安定になり、エンジンが止まってしまうからです。
キャブレターの調整をすることでエンジン回転を安定させる必要があるのです。
1、先ずはエンジンがあったまった状態にしてから調整を開始します。

↓アイドルスクリュー

2、アイドルスクリューをプラスドライバーを使って右に回すと、キャブレター内部にあるスロットバルブが押し上げられ、エンジン回転数が上がります。
逆に左に少し回すと回転数が下がりエンジンが止まってしまうので注意。



 

↓パイロットスクリュー

3、次にマイナスドライバーを使って、パイロットスクリューを調整します。

これは信号などで停止する際にアクセルを戻した時の燃料の調整です。
基準の位置から左右に90度くらいの範囲でわずかに回すことで、エンジン回転数が上がる位置を見つけます。
規定基準位置は右に全部閉めて1と1/8回転戻す位置。

強く閉めないよう要注意!

 

4、そして、再びアイドルスクリューでアイドリングを調整します。
アクセルを軽く回し、アクセルを戻した時に回転が滑らかにアイドリング状態に戻るかどうかを確認します。

ブォーン!ストトトトトト…


5、1回の調整でドンピシャリで安定すれば良いのですが、世の中そんなに甘くない。

1回や2回の調整ではアイドリングが安定せず、ノッキングが始まったりするので、安定するまで、ひたすらアイドルスクリューとパイロットスクリューの調整を繰り返します。
アクセルを戻しても回転が安定したら、近所を試験走行し、通常走行した際にアクセルを戻した後のアイドリングの状態を確認します。
最終的にはパイロットスクリューの戻し位置は1と1/2付近になるように。

 

こんな感じで手間はかかりますが、

随分長い事、頑張ってくれています。

 

先月にホンダが新型のハンターカブを出したそうです。

 

それがこちら!

2020年、令和生まれのCT125 ハンターカブ

 

ほとんど旧型と変わってない?

 

ちなみにこちらが僕の旧型ハンター。1981年、昭和生まれのハンターカブ

魚の骨のようなスクランブラータイプのアップマフラーにトレードマークの赤いボディー

外観がかなり似通っています。

 

新旧並べて比較してみましょう。

上が新型、下が旧型

旧型は昭和レトロバイクならではのドラムブレーキでしたが、新型はディスクブレーキ。

しかもABS付きですね。

当然、制動力はディスクブレーキの方が上!

結構レトロな車体のデザインとディスクブレーキの見た目の相性も良いですね。

全く違和感がない。

 

う~ん、それにしても横からの見た目が2台とも似ている!

新型は再度に反射材が付いていますね。

それと新型はシートにロックが付いたそうです。

 

次にフロントの比較

左が新型、右が旧型

この辺りが大分異なりますね。

旧型はヘッドライト周りにステーが付いています。

ガードの役割もしているのでしょう。

旧型は昭和レトロなハロゲンランプですが、新型はLED

LEDだから明るくて安心感もありますし、他者から認知され易いため安全性も上がりますね。

いいなあ!

僕のハンターは6vから12vに換装しているのですが、いずれライトもLEDに換装しようと思います。

 

ウィンカーも同様に新型はLEDです。

昼間で明るい時間帯でもウィンカーが点灯しているのがよくわかります。

安全性が上がりますね。

さすがLED。

 

次にリアの比較

左が新型 右が旧型

新型はテールランプが細長くなっていますね。

ウィンカーの配置も異なります。

もちろん新型はLEDだそうです。

荷台は色が違いますが、鉄製でやたらと大きいのは新型に継承されています。

外観に関しては、横からパッと見た感じ、非常に似ていますが、

フロントとリアは結構変わったかな。

 

 

ちなみに僕の愛車(クルマ)の初代コペンと現行の新型コペンセロも全体的に外観は似ています。

 

僕の旧型のフロント(屋根クローズ)

 

新型のフロント(屋根クローズ)

 

屋根オープン時の旧型のフロント

 

屋根オープン時の新型のフロント

 

屋根クローズ時の旧型のサイド

 

屋根クローズ時の新型のサイド

 

 

 

屋根オープン時の旧型のサイド

 

屋根オープン時の新型のサイド

 

屋根オープン時の旧型のリア

 

 

 

屋根オープン時の新型のリア

 

屋根クローズ時の旧型のリア

屋根クローズ時の新型のリア

 

コペンは新型と旧型で外見上、若干の違いはありますが、似ています。

内装もほぼ一緒。

エンジンが新型の方が若干排気量が低め?

でも、それほど大きな違いは無いです。

新型と旧型、外見も中身も大差ありません。

 

しかし、新型ハンターカブはさすがに令和のマシーンだけあって、昭和生まれの旧型とは外見は似ていても中身、つまり構造は全然違います。

外見以外で旧型の構造をそのまま引き継いでいる所と言えば・・・

自動遠心式クラッチとエアクリーナーあたりでしょうか。

たとえば、エアクリーナーは旧型が水没しても走れるようハイマウント式でしたが、新型もそれを引き継いでいます。

旧型は川の中を走ることを想定してエアクリーナー吸入口を高い位置に配置していました。

 

旧型はエアクリーナー吸入口が高い位置にあるため水の中を走行可能

 

同じく新型もハイマウント式のエアクリーナー&吸入口

新型もエアクリーナー吸入口は旧型から受け継いで高い位置にシュノーケリングの如く装備されていますが、果たして水中走行が出来るかどうか?

シートも若干高くなったような気もします。

 

次に速度計の比較

上が新型、下が旧型

 

新型の速度計はデジタル式でさすが時代の最先端を行く近代的な造り。

一方、旧型の速度計はやはり時代を感じさせるレトロな造形のアナログ計器。

しかも、ヘッドライトと一体式。

速度計とオドメーター、警告灯、ニュートラルランプ、ハイビームランプという構成。

 

左右のグリップ周辺のスイッチの比較

上が新型、下が旧型

スイッチの配置や形状は変わったものの機能はほとんど変わっていません。

でも新型の方がカッコイイかな。

 

 

エンジンにしても昔と今とでは排ガス等の規制なども全く違うため、構造は全く異なります。

新型の燃料供給方式は、電子制御式のフューエルインジェクション。

燃費は50km/L程度。

さすが!

 

一方の旧型は上記の通り、キャブレター式。

燃費は30km/L程度

燃費は悪くないけど、新型と比べるとなんだか残念

 

上が旧型、下が新型

どちらもエンジンガードが付いています。

これがあるのと無いのとでは大違い。

山の中の悪路を走る時など石を蹴飛ばしてガツンガツンとエンジンに直撃するのですが、このエンジンガードがしっかりとガードしてくれます。

それと旧型と異なり、新型はエンジン始動がキックスターター方式だけではなく、ボタン一発で簡単に始動できるセルフ式スターターも装備されています。

でも、僕はキックオンリーが好きなんですよね。

セルに頼らない。

セルはいらない。

出発前、キックペダルを思いっ切り踏み下ろすことで

(よし、いくぞ~!)って気合が入るんです。

キックはエンジン始動の儀式。

バイク屋さんに「お客さん、エンジンかけられなくてさ、悪いけどエンジンかけてくれる?」と言われると、(俺しかこのエンジンはかけられないんだ)という自負心も芽生えます。

その辺の事情はもう1台の愛車も同じです。

冬は1時間キックしてもエンジンがかからない。

真冬の寒い朝なのに汗びっしょりで何度もガシャコンガシャコンとキックを繰り返す。

(こんな事してたら学校に遅刻する!)と焦りながら。

それでもエンジン始動方式がセル無しのキックオンリーのオートバイが好きなんです。

便利さよりも面倒臭さを取ってしまうんです。

その面倒臭さがこのオートバイの個性であり、魅力なんです。

 

そしてギアチェンジは旧型と同じ自動遠心クラッチ方式が継承されました。

4段変速だそうです。

ただしギアチェンジが新型と旧型とでは逆で、旧型はかかとを踏み込むことでギアが上がっていくのですが、新型はつま先を踏み込むことでギアが上がります。カブと同じですね。

それと、残念ですが、旧型には副変速機が装備されていましたが、新型にはありません。

旧型は副変速機があることでハイギア4段、ローギア4段の計8段変速ギアだったんです。

新型に副変速機が装備されていないというのは、ちょっと残念な気が・・・

 

新型の4段変速ギア(副変速機無し)

 

旧型の副変速機を装備した計8段変速ギア

 

 

副変速機があるのと無いのとでは、大違いなんですよ。

 

 

👇こちらが副変速機

個人的には「これがないとハンターじゃない」と言っても過言ではないぐらい。

副変速機のハイギアとローギアを使い分けることで、全く性格の異なるマシーンに変身するのです。

ハイギアにレバーをセットすれば綺麗に舗装された街中の道路を走るオンロード仕様。

ローギアにセットすれば、どんな山道のような悪路でも走れるオフロード仕様に化けるわけです。

見た目や名前だけでなく本当に「ハンターカブ」の名にふさわしいタフな走りができるのです。

山も川の中も走破できます。

つまり、新型は旧型と外観は似ていてスクランブラー仕様のアップマフラー等、ワイルドですけど、「ハンターカブ」と名乗るには、ちょっと名前負けしている感が否めません。

果たして副変速機が無い分、排気量を15ccアップしただけで補えるのでしょうか?

あくまで僕個人の感想ですが。

 

その他、新型と旧型の違いですが、旧型のブレーキには車で言うパーキングブレーキの役割を持つ特殊な機構となっています。

上の画像をご覧ください。

ブレーキレバーの上に重なって付いているものです。

ブレーキを握った状態でこれを下げるとブレーキをかけた状態で固定されます。

つまり、前輪がロックされるのです。

こうすることで坂道でも安全に停めておけるのです。

 

そしてサイドスタンド

通常、オートバイは左側だけサイドスタンドがあり、下部にセンタースタンドが装備されています。

しかし、旧型は下の写真をご覧の通り、左右にサイドスタンドが付いています。

これ、凄く便利なんです。

普通に舗装された道路では必要性を感じませんが、山道だと前後の傾斜や地面の凹凸だけでなく、左右の傾斜もあります。

その傾斜に合わせてバランスを良く保てる方へ車体を傾けてサイドスタンドを立てる事で安定した停車が可能となるのです。

こういった所からも本格的に悪路を走るために作られた構造だということがわかります。

 

またガソリンスタンドの無い山道でガス欠を起こしても大丈夫。

零戦のように増槽タンクが付いています。

これでラバウルからガダルカナルまでの長距離進出が可能となったのです。

 

以上、新型と旧型で比較してみると、やはり、自分の愛車である旧式の方が魅力を感じるんですよね。

やっぱり自分と一緒に長い年月を過ごしただけに愛着があるんですよ。

LEDだとか、ディスクブレーキだとか、燃費だとか、電子制御のフューエルインジェクションシステムだとか、高性能でお洒落な新型にはいろいろな意味で劣りますが、

それでもハンターカブの名にふさわしいタフさと、どことなく昭和の味噌汁くさい日本らしさを兼ね備えたコイツが好きなんですよね。

絶版ですから部品も無いので、スクラップ前の他のオートバイの部品などを流用したりしてコツコツとあちこち直しながら長く乗り続けたいと思います。

 

でも、新型も1度乗ってみたいなあ。

試乗に行こうかな~?

 

「見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを」

 

旧型のシャア

 

新型のシャア

 

 

試乗したら間違いなく欲しくなるだろうな・・・

だって新型も魅力いっぱいだから。

新旧両方とも所有したい。

 

新型のCM