カラヴァッジョ展 | Lupin 孤高のブログ (Stand Alone)

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日に3度のめしが食えて 手足をゆっくり伸ばして寝られるベッドがある
昨日と変わらぬ今日が来て 今日と変わらぬ明日が来る
一杯のカップラ-メンで満たされる時 ・・  幸せ

日曜日 上野西洋美術館 カラヴァッジョ展に行った



カラヴァッジョ展

以前 本でも読んだことのある ミケランジェロ・メリージ・カラヴァッジョ
同世代としては 日本では 伊達政宗 真田幸村の4つ下
宮本武蔵の一回り歳上だ

光と影 頽廃と暴力の画家 人殺しにして天才 
自分以外の天才を 決して認めようとしない 傲慢な暴君的奇人


食堂でのアーテイチョーク事件
ある日 食堂でアーティチョークのバター炒めを4つ 油炒めを4つ注文
持ってきたウェイターに
「どっちがバター炒め?」 と尋ねたところ
ウェイターの
「匂いを嗅いだらわかりますよ」 という答えに腹を立て
皿を投げつけ 怪我を負わせた 


あまりお近づきにはなりたくないが 
ちょっと距離を置けば 大変興味深い人だ



展示室に入ると まず目に留まるのは


「女占い師」

女占い師

まるで 壁から浮き上がるような 圧倒的存在感
ルネッサンス絵みたいな 非現実的ではなく 市井の人々のありふれた日常
手の届く距離 真正面に立てば 目の前に二人が存在しているような
16世紀のイタリアにタイムスリップしたような 不思議な感覚になる


「ちょいと お洒落なお兄さん 手相でも見てあげましょうか」
「ほぅら こちょこちょすると 気持ちいいでしょ」


「チョ~ きもちいい」

「じゃあ 次は俺のも見てくれよ 俺にもこちょこちょ」


と言ってみたくなる
そして 腕時計や財布を盗られるのだ








全51作品
その中で 本人のモノは12点

あとは カラヴァジェスキ (カラヴァッジョ派) の作品



その中に 
夜の画家 ジョルジュ・ドゥ・ラトゥール のものがあった



「煙草を吸う男」

煙草を吸う男

光と闇と静謐と

人間は 暗闇の中 炎の光を見つめると
吸い込まれるように 落ち着くのだ
この感覚は 1000年経っても 恐らく人類が滅亡するまで変わらぬ
本能的感覚なのだろう

370年前 ラ・トゥールがこの絵の前に 
この空間に絵筆を持って 立っていた 

時空を越えて 同じこの場に共存する感覚に
あぁ~ 
「チョ~ きもちいい」


そして 今回の目玉は

カラヴァッジョ生涯最後の作品
2014年に発見されたという  世界初公開だそうです


「法悦のマグダラのマリア」


法悦のマグダラのマリア2

官能的 退廃的
目は僅かに開き涙がこぼれる  口は半開き 唇は土気色
胸は大きくはだけ 剥きだした肩に頭をもたれ 
お腹の脹らみ その衣の下には どくろを抱えているのか

法悦とは "うっとりするようなエクスタシー"

「チョ~ きもちいい」

 

今回は 俺の好きな 斬首モノ が 少なかった
"かわいさ やさしさ 安心安全と命の大切さ" 
やっぱり平和な日本には ちょっとそぐわないのかな


わりと早い時間に行ったので 混雑もなく 余裕を持って鑑賞できました

館を出ると 中国人の団体が賑やかに 喚きながら入って行きました

ふぅ チョ~ 良かった