2人目を妊娠した時。

再度湧き上がる普通分娩へのこだわり。

帝王切開後の普通分娩はリスクが高い。

児頭骨盤不均衡で帝王切開になった私には

普通分娩の選択肢は一生ない。

 

辛くてたまらなくてアキくんににその思いをぶつけました。

 

話しながら涙ぐみ

あの時のママ友さんとの出来事を思い出し。

 

実はママ友さんとのトラブルの後に

赤ちゃんがやってきてくれたんだけど

サヨナラしてしまったこともあり。

命が宿るって本当に奇跡なんだっていうことを

身をもって理解したはずなのに。

 

頭ではわかっているのに、

下から産みたかったという感情が溢れて止まらない。

そんな自分が許せない。

なんで心から素直に安全に赤ちゃんを

迎えてあげようと思えないんだろうかと。

ここまで来ても心の中の整理がつかないなんて。

 

自分はなんだかんだ言って最後には帝王切開を選ぶ。

そこの意思は自分でも堅いのに、

自然分娩したかったのにって感情が

意志とは逆の方向に全力で反対側へ向かっている。

 

どちら側にも行けなくて

真ん中にで引っぱられている

心は引きちぎれそうでした。

 

喉の奥で鳴き声を出すのをこらえて

喉が痛くなった。

一生懸命に話す私の話を

最後までアキくんは聞いてくれて。

 

アキくんは金管楽器(楽器名は伏せます)を

ずっとやっていて、

随分前に吹けなくなってしまった話は

聞いてはいたのだけど

その時の話を例にして話してくれました。

 

過去に顎を手術することになって医者に言われたそうだ。

顎の感覚は術後半年くらいで治るけど、

まれに治らないこともあると。

アキくんはそのかなり低い確率の「まれに治らない」

に入ってしまって金管楽器が吹けなくなってしまいました。

 

そのことは残念だけど、

違う道を進んだならまた違う未来がある。

今、こうして君と僕がここにいることも

幸せな現実だと話してくれました。

 

アキくん「帝王切開になってしまった事実は悲しいことかもしれない。

でも1号(長男)は元気に育っているし、

家族幸せだし、さらに2人目(今の2号)もやってきてくれた。

それは普通分娩にこだわっていたら

得られなかった幸せかもしれないよ?

これから先も幸せになれることにこだわっていこうよ。」

 

…って感じのことを言われました。

 

私は彼の演奏を一度も聴いたことがありません。

吹けなくなってから大分経ってから知り合っているので。

使わなくなったマウスピースは

今でも家に大切に保管されています。

吹けなくなっても思い出と一緒に

彼の中で生きてるんだなって感じます。

 

アキくんが言ってくれたことは

みんなと同じ内容なのに、

ストンと落ちどころを見つけることができました。

それは、アキくんがちゃんと私の心の傷に

寄り添ってくれたからだなぁって思います。

なので今は全然大丈夫です。

 

なんでこんな話をしたくなったかというと。

 

過去に帝王切開で出産したことを悲観的にとらえていた時に。

そんな心の傷に寄り添ってくれる

帝王切開の心の傷を癒すサークルみたいなのがあるのを知って。

私は地域が違ったのでその活動に参加できなくて断念したんだけど、

自分みたいに傷になってる人は多いんだなぁと思って。

 

2人目出産の時に病院で

同じく帝王切開だった人とも一緒になったんだけど、

その人は陣痛からの促進剤からの8センチ開いてたのに

…からの帝王切開ですごく落ち込んでいたママさんに会ったりして。

 

私からみたら

「陣痛は体験できたんじゃん…」なんだけど、

本人からしたら「もう少し頑張ったら産めたのに!」って感じだから。

本当、帝王切開で感じる心の傷も

また人それぞれなんだよなぁって言う体験もして。

 

3人目を出産して、入院中。

産後やっぱ陣痛も体験してみたかったなぁ(・ω・`)

なんて思っていたら深夜に陣痛でリアル苦しんで来院した妊婦さんをみて

産後の情緒不安定も重なって泣いてしまったことなどを思い出しつつ。

 

あんまり帝王切開が悲しかったって

書いてる人も見かけないなぁって思ったので記事にしてみました。

 

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・・・あれから3人子どもを産んで。

 

元普通分娩信者だったので

まぁ、今でも思いにふけることはあります。

落ち込んだりはしないです。

 

アキくんが言ってくれた言葉を思い出し。

傷に寄り添ってくれる人がいて

子どもは元気に育っている。

それでいいじゃないかと。

 

アキくんがあの時言ったように

選んだ道の先にある幸せを

追及していこうと思います。

 

ここまで読んでいただきありがとうございましたニコニコ