【このお話は過去のお話です。
ツヨシは今は認知症の診断を受けてケアマネさんとヘルパーさんに助けてもらいながら生活をしています。
過去、地域包括に繋がるまでの不安や悩みなどを書いています。 】
カベ男からもらった生活費総額55万円を3回にわたってもらっていたが、すべてすぐに失くし「燃えるゴミに捨てた」と言っていたツヨシ。
その後は、気楽な一人暮らしを楽しんでいる様子だった。
カベ男は結婚してから、あまり実家には立ち寄らなくなり、かべ子は家族で月に1~2回子供たちをつれて週末を一緒に過ごす生活を続けていた。
それから1年半経ったある時、「生命保険や支払いの引き落としを忘れて未払いになるのが怖い」と突然言い出した。
今まで、自分の金には一切触らせてこなかったツヨシ。
かべ子に「お金の管理をしてくれないか」とお願いしてきたことは、大きな出来事だった。
前々からツヨシの金銭管理の緩さが気になっていたのもあり、これをきっかけに老後の資金もしっかり貯めなくてはと思いお金の管理を引き受けることにした。
今思えば、娘に金銭管理を頼むほど、不安なことが何度かあったのかもしれない。
軽度の認知症が始まっていたのかも知れないけれど、あの時は車も原付も乗っていて、
好きな場所に好きなように出かけて毎日を楽しんでいるようにしか見えなかった。