THE BEST2を作るにあたって
マジで時間がなかったと、先のブログで書いたけど
有り余るほどに余裕をもって曲ができてしまった。
そんなTHE BEST2
今回もやはりソーファンクルの曲が秀逸すぎて
1曲目にしようということになった。
THE BESTが札幌を舞台にした曲だったので
今回は沖縄
なんとも安易で良い。

Naha-Nahaも歌詞が秀逸で
LUNKHEADでいうと濃藍のような
1番は男目線、2番は女目線でストーリーが進んでいく
1番ではアホな男の一夏のアバンチュールへの期待が描かれ
2番で、あ!っと驚く展開になだれ込み
謎が解き明かされていく。

まず目を見張るのが
ヤンバルクイナも羽ばたく
という表現

ヤンバルクイナは沖縄の飛ばない鳥
その鳥も思わず羽ばたいちゃう絶世の美女
この表現は俺にはできない。
ここでヤンバルクイナを持ってきて
沖縄感をさりげなく且つエレガントにプッシュする
ソーファンクルおそるべし。

そこから、秘密が徐々に暴かれていく2番

なんといっても
1番で
一目惚れってやつ 常夏の島
からの
「ひとめぼれ」ってやつ 美味しいお米
である。
天才的にもほどがある。

ここで、ん?ひとめぼれ?東北?突然になぜ?
となる。
泡盛が苦手で日本酒が好き??

日焼けした肌は日サロ??

そして明かされる衝撃の真実

わたし東北生まれなの
実は岩手の女なの
暑いのはちょっと苦手なの
早く田舎に帰りたい

なんと…!!
絶世の美女は岩手の女だった…!!
そして、歌詞を読んだ印象だと
1番でアバンチュールを期待した男のことを
カケラもなんとも思っていない様子
ただただ早く田舎に帰りたいと願ってる。
男だけが一人浮かれている。
世の常

なぜ岩手の女が沖縄にいるのか
暑いのも泡盛も苦手なのに
田舎に帰りたいのに
なぜ帰れないのか
聴き手の中でいろんなストーリーが生まれていく。
俺はこの物語のコアな部分をソーファンクルから聞いてるけど
敢えて書かない。
聴いてくれた人の中で物語を完成させてほしい。

作文用紙で言えば10行くらいで終わる文字量に
上質な小説をひとつ読みきったような感覚を覚える。

やはりソーファンクルは奇才、いや鬼才である。


曲に関して言えば
俺の家でレコーディングしたんだけど
THE SAPPOROに続き
やっぱりレコーディング前にほとんど全部出来上がっていた。
THE BESTはアコースティック楽器のみで作ったけど
2作目となるとやっぱり色気付いちゃって
エレキギターや打ち込みガンガン使っちゃった。
Naha-Nahaなんてむしろそれのみ
ベースまで入っちゃってる。
で、リズムを打ち込む場合
俺はMIDIで全部自分で打ち込む。
しかしソーは元々Logicに入ってる
サンプルのリズムパターンをそのまま使ってきた。
なのでよーく聴くと
歌やギターは跳ねてるのに
ドラムはペタッと普通に4拍子なんです。
跳ねてるっていうのは
普通が
ズッチャチャズッチャッ
だとしたら
ズッッチャッチャズッッチャッッ
みたいなことです
声に出して読んでみるとわかりやすいかも?
なのでドラムも同じく
ドッッタッタドッドタッッ
となってなくてはいけない
なのにサンプルの普通のドラムパターン使ってるので
普通に
ドッタタドドタ
なわけです。
だからノリがあってなくてめちゃくちゃ気持ち悪い。
俺だったら絶対にありえない。

しかし!!
これ、気持ち悪くない?
俺打ち込むけん直さん??
と言ったところ、ソーファンクルは
「まったく気にならない」
と、ドヤドヤのドヤ顔で返してきた。
ああそうですね。

だけどこれが何度も何度も聴いてると
このノリの悪さが
なんかクソクソにヘタクソなやつがドラム叩いてるみたいで
逆に打ち込みっぽくなく聴こえてきて
このグダグダなノリがむしろ良くなってきた。
これもソーファンクルの狙いだったのか…
(そんなわけはない)

こういった曲を作る時のソーファンクルには
彼のルーツであるTHE BOOMの匂いをそこはかとなく感じる。
沖縄が舞台だから余計になんだろうか。
THE SAPPOROもなんだけど
ソーファンクルの曲と声は柔らかくて温かくて懐かしい感じがする。

だけど曲の終わり方は完全にユニコーンを意識している。
なぜなら俺も一緒に
ここで切ろう、いやもうちょっと前、んーもうちょっと後ろ
と、二人でエヘエヘしながらミックスしたから。
絶妙に中途半端なタイミングで曲が終わっていると思う。
これはもう完全にユニコーン先生の影響、というかオマージュ。

で、まあ結局、THE SAPPOROに引き続き
この曲も俺がしたことは
ナハナハナハ ナハナハナ
ハハハハ! 那覇!!
ってところをハモっただけっていう。

しかしライブだとギターを弾かなければいけない
(弾かなくてもいいけどそうするとナハナハ言ってるだけになってしまう)
この曲、コードが4つしか使われてなくて非常にシンプル
なのにAメロBメロサビ全部コード進行がビミョーに違う
ガッツリ違えばこっちも頭が切り替わりやすいんだけどビミョーに違うと結構混乱する。
なにより、作った本人が
なんでこんなんにしたんだろ…??
と、毎回いちばん混乱している。