以心前進シリーズ初日

以心前進東名阪シリーズのセットリストは
MCでも言ったかも?しれないけど
4本全部を同時に組んだので
もうすでに大阪編まで決まっていて
4本を通しての物語を作りたくて
その中で初日のこの日をどう組もうかっていうのは
やっぱりこの東名阪の幕開けとして
なんか、あ!っと驚く感じにしたい
という思いがありまして
で、まさかのその間5メートル始まりにしたんだけど
みんなきっと予想外だったと思います。
でも実は、その間5メートル始まりってのは
俺らにとってジンクスがあって
もう17年前
2004年の5月15日
初めてJAPAN CIRCUITに呼ばれた日
JAPAN CIRCUITって今みんなわかるんかな?
ROCKIN’ON JAPANが主催してたイベントなんだけど
それに出演するのが当時若手バンドの登竜門みたいな
俺らの初めての渋谷AXでのライブ
それに初めて呼んでもらった日の一曲目が
その間5メートルだったんです。
他の出演バンドは
GOING UNDER GROUND
LOST IN TIME
jackson vibe
そしてLUNKHEAD
(この日、初めてロストに会ったと思う
それも挨拶程度
俺らと同い年で俺らよりはるかに売れてたから
大嫌いだったのさー!!)

ペーペーもペーペーの俺らは
もちろんトップバッター
持ち時間も俺らだけちょっと短かったと思う。
まあオープニングアクト的な?
その扱いもムカついてた。
(呼んでもらえただけでも御の字だというのに…)
オーディエンスのほとんどが
俺らなんか知らない
興味もない
その中で始まるその間5メートル

どうせ俺らのことなんか誰も知らないんだし
ウケ狙いより
好きにやりたい放題やろうぜ、と

当時、ヘタクソすぎて
ライブがいい日と悪い日とで
かなり俺らはムラっ気があったんだけど
その日のライブはもう誰が見ても会心の出来だったんです。
自分たちはよくわかんなかったけど
ライブが進むにつれて
初めて向かい合う1000人以上の
オーディエンスの目の色が
躍動が
興奮が
あからさまに変わっていった。
あれはすごかった。
俺らがすごいライブを見ている気分だった。
ボビーもめちゃくちゃ興奮していたし。

それ以降
その間5メートル始まりってのは
絶対にいいライブになるっていうジンクスが生まれて
(ボビーの中で)
まあ、それから数えるほどしかやってないし
悟も壮も覚えてないだろうし
桜井さんがドラムになってからは初めてかもしれない。
でもあの日のライブは俺の中でも強烈に記憶に残ってる。
というのも
ライブ当日の朝
意味不明に気が滅入ってライブどころではなく
ブッチしてやろうかと真剣に考えてたくらいに
なんだか俺は参ってて
重い足を引きずってなんとかAXに向かったという。
(厳密にはバイクで行った)
そこからの逆襲
というかもはや逆ギレ
壮が後で
ライブ中、小高の顔が真っ赤で怖かった
と言っていた。

思い出話が長くなったけど
なので今回
同じ5月、そして渋谷ということもあって
この曲を1曲目にしました。敢えて。
なんかこう
じわじわと熱を帯びていく感じが
気持ちが入るのです。
歌詞も曲もすごい俺好きだし
全員見せ場があるし
あんまやらないけど。
でもやるたびになんだか
あの日を思い出す。
一体感とか盛り上がりとかどうでもいい
俺たちがLUNKHEADだ!
って叩きつけるようなあの
誰も俺らを求めてなかった頃の感覚を思い出す。
今、俺らを必要としてくれる人がたくさんいて
俺らは本当に救われてるし
みんなで一緒に救われたい。
誰かを救いたいなんておこがましいことは言えないけど
一緒に救われることはできるんじゃないかと思ってる。
一緒に笑ったり楽しかったり
泣いたり寂しかったり喜んだり
みんなが手を離すのは自由だけど(ヤだけど)
俺らからは手を離したくないから
そのために続けてる。
だけども俺らが始まったあの頃の
噛み付くことしかできなかったあの頃の
弱くて小さくて、だけど鋭い牙は
決して無くしてはいけないものだと思ってる。

そういう
この日の
その間5メートルでした。