頭を踏み潰された猫なんて見たことない
と、人に言われた。
そう言えば俺も
東京出てきてからは見たことないな。
東京の猫は賢いのかしら？
猫は車に轢かれそうになった時
ビビって体が動かなくなっちゃって
逃げられなくなるって
昔なんかで見たことがある気がするんだけど。
小学校2年の春
俺は王子アパートから前田町というところに引っ越した。
中2で星越町というところにさらに引っ越すんだけど
戦前生まれの星越町は戦後に建てられた前田町よりもむしろしっかりしていて
（前田町は戦後だったから建材が不足していたらしい）
トイレも洋式だったし窓もアルミサッシだったけど
前田町の社宅はひどいもので
畳をめくると木材がすのこ状態で地面の土が見えていた。
窓も格子の木枠の磨りガラスで
風が吹くとカタカタと鳴った。
そしてボットン便所だった。
梅雨時は廊下にナメクジがいたし
風呂場には手のひらくらいの蜘蛛がいた。
（それと蜘蛛の糸は関係ない）
今思うと、母はきっと都落ち感が半端なかったと思う。
けど俺はそんなことよりも
初めて自分の部屋が持てたことが嬉しかった。
2畳ぐらいの廊下だったけど。
そんな前田町も随分前に丸ごとイオンになっちゃって
星越町も全部更地になった。
（アスのMV参照）
今も鮮明に覚えているけど
その前田町内で
上顎から上が真っ赤なミンチになって
アスファルトに横たわった子猫を見かけたことがある。
小学生だったので
そこそこショッキングな出来事だったと思う。
上顎から下は綺麗なままだった。
毛並みもツヤツヤしていて
それが余計にグシャグシャになった上顎から上を強調していて
なんていうのか
心が無になった。
多分、防衛反応が働いたんだと思う。
心が死なんように。
動物を殺しても罪としては器物破損にしかならないらしい。
なんじゃそりゃ
モノかよ。
この世に理不尽以外の平等などあったもんじゃない。
あの人が死んで、のあの人は
フジファブリックの志村君です。
代わりに小高が死ねばよかったのに
というのは残念ながら本当に2ちゃんで書かれてました。
それを見てしまった時に
社会的貢献度で考えれば
それは至極真っ当だなと
自分でも思ってしまった。
残念ながら。
