それでもを作ろうと決めたのが2018年の3月とかで
とにかくレコーディングのスケジュールだけ押さえていて
なのに未来以外なんも曲ができてなかった。
あ、モグラはできてた。
モグラはほんとはLUNKHEAD用に作ってた曲だったんだけど
モグラの曰くはまたモグラの回で…
で、多分4月の頭ごろだと思う。
その頃の俺はもうマックスにダメで
体的にも精神的にも参り切ってた。
お酒の飲み過ぎでもう体がノーサインを出していて
強い酒を飲むと酔うより前に体が拒絶反応をして吐いてた。
それでも無理矢理ねじ込むようにトリスを飲んでた。
酩酊しないと眠れないからだ。
死ぬとか健康とかどうでもよかった。
気づいたら、楽に死ねる方法をネットで検索してたくらい
で、ある日出先でボロボロとメロディと歌詞が湧いてきて
それこそゲロ吐くように湧いてきて
当時、インタビューとかでも
このままだと100番くらいまでできそう、とか言ってたけど
それは言い過ぎだけど
どんどん湧いてきちゃったので
いざ家に帰って曲としてストーリーになるように
より強いメッセージになるように整理してこの形になった。
もう、ほんと昭和のフォークソングだよねえ。
今聴いても救いも何もあったもんじゃないけど
未だにこの感覚はずっとある。
その頃、メンバーといる時だけが生きてる感じがしたし
ライブをしてるときだけは生きてたいと思った。
今もそんな感じはある。
俺はバンドマンでよかった。
LUNKHEADでよかった。
バンドマンじゃなかったら死んどったかもしれん。
歌詞はもう、解説のしようもない。
胃液を吐くくらい吐き切ってるので
曲を聴いてくれ、としか言いようがない。
曲に関しては
ほぼ同じメロディのループなので
燦燦方式、というか
アコギ一本で始まって
だんだん音数が増えていって
最後まで飽きないようにドラマチックになるように頑張った(つもり)
あと、ギターソロは
レコーディングで時間を取らないようにあらかじめ家で録音して
そのデータをCROSSROAD STUDIOの井上さんにいい感じにリアンプしてもらった。
リアンプってなに?
って人はググってください。
要はラインだけ録ったペロペロのオーディオファイルのデータをアンプに繋いで
アンプから鳴らして歪ませた音をマイクで改めて録音する、っつう技です。
ラストの渾身のギターソロは(途中のもだけど)
もうタイトル通り、夜中にトリスで酩酊している状態で
家のパソコンにギターを繋いで弾いたソロです。
意外と弾けてんじゃん…と思うし
これはもう一生弾けない。多分。
なんでこんなの俺弾けたんだろう。
編集もしてないし、一発テイクなんです。
普通、酩酊するとマジでギターって弾けなくなるんすよ。
割と凄まじいギターだと、自分では思うんですけど…
まあ、よく聴くと全然弾けてないんだけどね。

この曲ができた時、ほんとクソみたいな曲だなと思ったけど
だけど、間違いなくこれがリード曲になるなという確信があった。
俺のどん底の汚泥のようなこの曲をリードにしたかった。
それでもってアルバムのスタートはこれしかないと思った。

MVは色々縁があって友達になった田端の映画館シネマチュプキタバタの支配人の和田君が録ってくれた。
和田君の友達の神吉さん(かんきさんと読む)がカメラマン
それに友達のシンガーの佐藤静奈ちゃんがなぜかアシスタント&ドライバーとして付き添ってくれて
東京の山谷から撮影が始まり、東京駅、新宿
そして2日目はなんと静岡の中田島砂丘までロケに行った。
和田君の中では東京でのロケは俺の現実
砂丘でのロケは俺の心象風景を表現したかったと。
それはもう物の見事に表現されてたと思う。
和田君も熱い男なので
撮影はほとんど喧嘩腰だった。
そこまで俺を本気にさせたかった和田君の計画通りで
俺はまんまと手のひらで転がされてしまった。

絡んできたクソガキを殺すつもりで殴った

の件りの部分は、神吉さんがメインカメラ
和田君が単焦点のカメラでサブで撮ってたんだけど
そのシーンを撮る前に
それだけは言っちゃいけねえ、ってことを和田君が言っちゃって
ぷっつーん、ときて
マジで殺す、というつもりで
神吉さんのカメラは無視して
単焦点の和田君のカメラに向かっていった。
単焦点なので近づいていくとピントがボケる。
それが逆にものすごく生々しく撮れた。
今、自分で見ても殺気が怖い。
なんという目をしているんだ…
そしてそれも和田君の計算だった。
撮影中に小高さんが嫌な気持ちになることも言うと思います
ってそう言えば事前にメールで言われてた。。
そこまでして俺の心の底まで引きずり出してくれた和田君は
もう本当にすごい、としか言いようがない。
さすが映画人というか。。
上っ面のものなんて絶対に撮りたくなかったんだと思うし
俺もそうだったからすごい感謝してるし
和田君に撮ってもらって本当によかった。
それにしても本当に目が怖い。
ほんとに殺されそう。

お前みたいなカスには息を吸う価値すらねえ

というのは相手に言ってるんですか?
自分に言ってるんですか?

と、後で和田君に言われて、さすがだと思った。

これは相手に言ってると同時に自分に言ってるんです。

YouTubeのフルバージョンは全然見られてないけど
作品の評価とは一体なんなんだろう?
沢山見られて数字が高ければいいものなのだろうか。
わからんけど
俺はトリスという曲はいわゆる世間的にいい曲だなとは思わない。
だけどすごい小高芳太朗だと思う。
自分の中ではすごいいい曲だと思ってる。
世間的にはいい曲ではないこともわかってる。
けど俺はいい曲だと思ってる。
ちょいちょい自分で聴いてしまう。
ちょいちょい眠る前に聴いてしまう。
自分の曲で救われてしまう。
バカだろうか。
そしてこのMVはすごくいいMVだと思う。
あと、やっぱ最後のギターソロはなかなかいいと思う。
ベースもなんか悟ぽくなっちゃうけど
こういうギターソロもなんか壮ぽくなっちゃう気がする。
トリスを聴いた壮が
俺っぽい笑
って笑ってた。そういえば。