この曲もサビが最初にできたのかな。
割とありふれたコード進行な気もするけど
この流れは実はLUNKHEADにはなかった。
なので自分の中ではめちゃくちゃ新鮮だった。
サビのコード進行が
C→D→G
C→D→G→B
C→D→G
C→D
っていう
書き出すと超シンプルだな…
ここの各ターンのお尻のGが今までなかったところで
C→D→Em
っていう流れのコード進行の曲は腐るほどある。
キーや細かいコードは違っても
idとかloopとか闇を暴けとか
花は生きることを迷わないとか
ブラック・ミスティ・アイランドとか
朱夏とかシンドロームとか螺旋とか
WORLD IS MINEとか
山のようにある。
でもここで
C→D→ときてGに行く曲が1曲もなかった。
C→D→Emといくと
ヒリッとしたコード進行だけど
C→D→Gといくと
開けた明るい印象になる。
世の中にはそんな曲たくさんあるけど
それが自分の中では新しかった。
自分の中からそれが出てきたことが嬉しかった。
この開けた明るい感じが春の歌詞ともリンクしたと思う。
C→D→Emだったら
この歌詞は出てこなかったかも。
アレンジを詰めてた時はどうだったかなあ。
大まかな部分はデモ通りだったと思うけど
細かいところで結構詰めた気もするけど
Bメロの「見事に」のところの
バンドのアクセントとか
でも喉元過ぎればで忘れてしまった。
リフは山下君と俺とで合いの手な感じになってる。
けども俺のフレーズはほんと
ヨイショ!的な感じなので
あんまり耳には入ってこないかもしれない。

ボビーが死んだ2012年の次の年
開けて2013年
直球に新しい社員が入ってきた。
それが厚石だった。
厚石はLUNKHEADの現場マネージャーとして奮闘してくれて
そして2015年かな
直球をやめてそれまで働いてた新宿LOFTに戻って
だけど俺らのツアーはスタッフとして同行してくれてた。
機材車が事故った時も
前席の真ん中っていう一番死にやすい席に座ってたにもかかわらず
一人だけ無傷で
現場に残ってレッカーの手配とかしてくれたり
(後で、俺も怪我したんですよ!シートベルトが腹に食い込んで
すりむけて赤くなっちゃって!って言っててマジ厚石)
俺があまりにツイッターに厚石の写真を載せるので
厚石ファンが急増した。
俺の母も密かに厚石ファンだったらしい。
厚石との思い出は本当に思い出すと数え切れない。
たくさん一緒に旅をしたし
たくさん一緒に飯を食ったし酒も飲んだし
たくさん一緒に笑いあった。
本当にかけがえのない思い出だし
生涯の舎弟だ←ポイント

そんな厚石が、元々決めてた
28になったら地元に帰って実家の家業のお茶農園を継いで
若い自分が年寄りばっかの地元を盛り上げる!!という公約通り
2016年の春に実家のある鹿児島に帰ることになった。
東京で夢破れて実家に帰るんじゃなく
自分の夢を叶えるための門出だった。
本当にすげーやつだなと思う。
あいつの東京での日々はおそらくめちゃくちゃ糧になってると思う。
新宿LOFTなんて俺は絶対に働きたくない…
誤解を恐れずに言うと
マジで自衛隊より過酷なんじゃないかと思う…
そんな場所であいつはいつもアハハハ~アハハハ~と
アホみたいに笑っていた。
ほんとにアホみたいに笑っていた。
そして食っていた。だいたいいつも食っていた。
飲むように食っていた。

そんな厚石への餞のつもりで歌詞を書いたのが
葉桜ファイターだった。
葉桜って、なんだかみんなあんまりポジティブなイメージがない気がして
桜が散っちゃったね~みたいな
でも俺は昔から
葉桜ってそもそもピンクと緑のコントラストが綺麗だし
何より前に進もうっていうエネルギーをすごい感じて
満開の桜よりもむしろ好きだったんです。
桜が散っちゃったね~なんて言ってる人たちなんか置き去りにして
俺はギュンギュン前に進んでやるぜ~!!みたいな
葉桜を見てるとなんだか俺もやってやるぜ~という気持ちになった。
だから、いつか葉桜のことを歌いたいと思っていた。
それで書けた葉桜ファイターの歌詞は
本当に自分でもめちゃくちゃいい歌詞が書けたなと思って
これを厚石に捧げたことを後悔したくらい
いい歌詞が書けたなと思って
でもまあ厚石がいなかったらそもそも書けなかったんだけど。

この曲も時系列で歌詞が進んでいくんだけど
頭や1番2番のサビでは

夢は戦う意味に変わる

って歌ってるところが最後は

夢は戦う日々に変わる

で終わるところが
自分的には一番グッとくるところです。
ただの夢が戦う意味に変わって
それがいよいよ戦う日々に変わる
あー自分で説明しちゃってんのも野暮だなあ。
夢なんて叶わなくてもいいんじゃないかと思うのです。
叶った方がいいけど
でも夢に向かって戦ってる日々の方が大事だし
楽しいんじゃないかな。
だから死ぬまで夢見てたもん勝ちなんじゃないかと思うのです。

俺らも夢があります。
大中小松竹梅いろいろあるけど
そのために頑張ってて
本当にしんどいことも多いし
大変なことも多いし
頭を抱えることも多いけど
でも俺ら
夢のために戦ってるから
みんなSNSとかで見てもらえてると思うけど
あんな風に笑えてるんだと思います。

俺らLUNKHEAD
20年前に見た夢で
未だに日々戦えてることが本当にありがたい。


ちなみにこの曲
タイトルをどうしようかって
すごいみんなで悩んで
俺はやっぱりどうしても葉桜って入れたかったんだけど
二字熟語の曲多いけど
葉桜だけじゃあちょっと寂しいし
曲のパワーが伝わらないなと。
で、みんなで悶々してたら
山下君が
葉桜ドンって言い出した。
それ黄桜ドンやん!笑
はぁ~ざっくら~ぁドン!!みたいな?笑
ゲラゲラゲラ~!!
と、ひと笑いした後で
また悶々して
いい加減時間が経った頃に
葉桜ファイターって山下君がぽろっと言って
それめっちゃええやん!ダサいけど!!
でもええやん!ファイターてええやん!ダサいけど!!
葉桜ファイターって的確に歌詞を一言で表現しとるやん!!
って満場一致したところで
山下君だけが神妙な顔で
いや…俺…葉桜ドン捨てがたいんよね…
とブツブツ言ってて
葉桜ドン…よーいドンみたいな…
なんかスタートダッシュというか…
それを全員で軽やかに無視して
めでたく葉桜ファイターに決まりました。